イーサリアムETF、9月までに承認予定、残るはスタッフレベルの最終調整:ゲンスラーSEC委員長
  • ゲンスラーSEC委員長は、イーサリアムETFはすでに承認済みで、残るはスタッフレベルでの詳細の調整のみと示唆した。
  • 委員長は、規制に準拠していない暗号資産業界への不満を繰り返し、イーサリアムが商品にあたるかどうかについての回答を避け、商品先物取引委員会(CFTC)は暗号資産市場を監督する準備ができていないと述べた。
  • ベナムCFTC委員長は、予測市場で選挙を扱うことを禁止する同委員会の取り組みに言及した。

イーサリアムETF(上場投資信託)の最終承認はこの夏までに完了する予定と米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は6月13日に行われた米上院の予算公聴会で述べた。

ゲンズラー氏は上院歳出委員会の小委員会で行われたSECの予算の使途についての公聴会で、イーサリアムETFに必要な初期段階の承認後、プロセスは「順調に機能している」と述べた。SECはすでに初期段階の申請を承認済みで、委員長は最終的な登録要件(「S-1」と呼ばれる申請)は現在「スタッフレベル」で処理されていると述べた。

S-1申請が承認されれば、イーサリアムETFが取引できるようになる。今年1月、ビットコインETFの取引がスタートしたことと同じような状況だ。SECは当初、ビットコインETF申請を却下していたが、裁判所がSECの対応に問題があるとの判決を下した。それ以来、SECは裁定に従い、ETFを認めているとゲンスラー委員長は述べた。

イーサリアムはコモディティ(商品)かどうかという質問に対して、ゲンスラー委員長は、イエスともノーとも答えず、イーサリアムに対するSECの不明確なポジションを維持した。同じ公聴会で、商品先物取引委員会(CFTC)のロスティン・ベナム(Rostin Behnamu)委員長は「イエス」と答えた。

この質問は、さまざまな暗号資産に対する適切な米監視機関を求めるうえで重要だ。証券にあたる暗号資産はSECが監督し、それ以外はCFTCが監督する。ゲンスラー委員長は、暗号資産の大部分は有価証券に当たると繰り返し述べているが、実際に執行措置で指摘したもの以外については、どの暗号資産が該当するのかを明らかにしていない。

「すべての暗号資産が証券というわけではない。いくつかはベナム委員長の管轄下にあり、証券に当たるものは広く一般に開示する義務を持つ」とゲンスラー委員長は述べ、ほとんどの暗号資産は未登録で、証券法に違反しているとの主張を繰り返した。

両方の機関を委員長として率いてきたゲンスラー氏は、暗号資産業界は規則を「鼻であしらっている」と述べた。また、CFTCはSECと異なり、開示に基づく監督システムを取り締まるための体制が整っていないと指摘した。

ベナム委員長は、CFTCが暗号資産取引の監督にさらに責任を負うことになった場合、監督のために必要な権限の一部がまだないことに触れた。

「登録、保管、監視、監督といったアメリカの資本市場やデリバティブ市場を真に強固なものにしてきた伝統的な規制手段をCFTCは持っていない」とベナム委員長は述べ、実現にはさらに大きな予算が必要と付け加えた。

ベナム委員長は、PredictIt、Polymarket、Zeitgeist、Kalshiといった人気の予測市場や、選挙結果に対する投資についての同委員会のスタンスについても質問を受けた。CFTCは最近、そうした投資を阻止する動きを見せている。

「今、我々が最も避けるべきことは、選挙の商品化だ。私の見解では、明らかに現行法に違反している。禁止に向けた措置を講じている」

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:ゲンスラーSEC委員長(Jesse Hamilton/CoinDesk)
|原文:Ether ETFs Should Be Fully Approved by September, Says SEC Chair Gensler