AI関連トークンが下落──グーグルトレンド分析からは個人投資家の関心がピークに
  • AI関連とされるトークンの上位が7日間で20%以上の値下げ。
  • AIに対する人々の関心がピークに達したことがグーグルトレンドでは見られる。

暗号資産関連のグーグル(Google)検索クエリが急上昇するのは、これまでも大きな好況時のピークで発生しており、伝説の投資家ウォーレン・バフェットによる名言「不況の時に買い、好況の時に売る」が実証されている。現在、人工知能(AI)関連とされるトークンの市場でも、同様の動きが起きているようだ。

AIに対する検索の関心はピークに達したという可能性をグーグルトレンド(Google Trends)が示すように、フェッチAI(FET)、レンダー(RNDR)、Bittensor(TAO)、グラフ(GRT)のような、いわゆるAIトークンは、データソースCoingeckoによると、過去7日間で市場価値を30%も落とした。

フェッチAI(FET)は、過去7日間における暗号資産(仮想通貨)トップ100銘柄の中でも4番目にパフォーマンスが悪い。市場の牽引役であるビットコイン(BTC)の下落は同期間にわずか2.8%で、より広範な暗号資産市場を測るCoinDesk20指数(CD20)の下落は6%だ。

グーグルトレンドは、流行のトピックに対する一般および個人投資家の関心度を測るために広く利用されている。それを参照してみると、過去12ヶ月間の「AI」という検索クエリの値は先週、ピークである100に達した。これは過去5年間で見た場合の値と同じである。100というスコアは、人気がピークにあること、つまり設定した期間中にそのクエリで最大の検索数が観測されたことを表している。

換言すれば、AIに対する熱狂が主流のものとなった。そして、AIに関する、またナスダック上場のチップメーカーでありAIのあらゆる文脈で旗手となっているエヌビディア(NVDA)に関する情報を、益々多くの既存および潜在的な個人投資家が求めているということだ。

あくまで目安にしかならないが、このツールは注目すべき良い指標かもしれない。なぜならば、大衆は感情に左右されることが多く、強気相場に参入するのも弱気相場から撤退するのも最後になることが多いからだ。例えば、ビットコイン(BTC)とソラナ(SOL)の検索数の急増は、それぞれ2021年5月および2021年11月と、いずれも価格のピークで発生している。

ChatGPTの登場でAIに対する一般的な認識が高まった後の2022年後半、NVDAと強い正の相関を持つことで知られるビットコインがテクノロジー株とともに底を打ったことは極めて重要だ。米国の資産運用会社GMOのチーフ投資ストラテジスト、ジェレミー・グランサム(Jeremy Grantham)氏によると、AIラリーはバブルの中のバブルであり、すぐに萎む可能性があるという。

この洞察は、投資判断を下そうと考察中の人々に注意を呼び掛けるものとなるかもしれない。

|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Growtika/Unsplash
|原文:AI-Related Coins Slide as Google Search Shows Peak Retail Investor Interest