ビットコイン納税サービスを一時停止──米オハイオ州財務官、前任者が導入

2018年にオハイオ州が立ち上げた、企業からのさまざまな納税をビットコインで受け付けるウェブサイトがサービスを停止している。

公式発表によると、オハイオ州財務官ロバート・スプレイグ(Robert Sprague)氏は同州の会議において、10月2日(現地時間)に「OhioCrypto.com」をすぐに一時停止すると発表した。

おそらく一時的と思われるサービス停止の理由は、オハイオ州に仮想通貨決済サービスを提供するサードパーティーのビット・ペイ(BitPay)の州法のもとでの取り扱いによるものとスプレイグ氏は述べた。

スプレイグ氏は2019年1月にオハイオ州財務官に就任、以来、同州財務局はOhioCrypto.comの「構築および運営のレビュー」を行ってきた。同氏はビット・ペイが提供する決済方法に、州法が定める「金融取引デバイス」の性質があると考えており、州検事総長にこの件に関する公式見解を求めている。

仮にビット・ペイが金融取引デバイスに当てはまると認められた場合、同社のサービスは「競争入札プロセス」を通じて選定され、州の委員会での承認が必要となる。

スプレイグ氏は次のように述べた。

「オハイオ州を未来に導くイノベーション、新技術、プロセスを追求することは不可欠。しかし、OhioCrypto.comのような、実行に移された新しいプロセスのすべてが、オハイオ州法に則って構築されたことを明確にしなければならない」

ビットコイン納税サービスは2018年11月、当時の財務官ジョシュ・マンデル(Josh Mandel)氏が立ち上げた。同氏は以前、仮想通貨への関心を表明していた。このサービスにより同州の企業は、たばこの販売税、従業員の源泉徴収税、公益事業税などのさまざまな税金の支払いに仮想通貨が使えるようになった。

「検事総長による公式見解が発表されるまで、ウェブサイトを一時停止することは良識的な判断だと感じている」とスプレイグ氏は述べ、サイトを通じて納税した企業は10社に満たないと付け加えた。

アトランタを拠点とするビット・ペイは、小売業者などに対して、仮想通貨での支払いの受け付け、法定通貨への自動換金のサービスを提供している。

翻訳:石田麻衣子
編集:増田隆幸
写真:Ohio seal image via Shutterstock
原文:Ohio Treasurer Suspends Predecessor’s Bitcoin Tax Payment Service