- AIをテーマにしたトークンは、過去24時間で35%急騰し、ほぼ横ばいで推移した暗号資産市場全体を大きく上回る結果となった。
- AIトークン価格の上昇は、エヌビディアの株価上昇を反映したもので、同社は世界で最も価値の高い企業となり、AI関連技術に対する市場の関心の高まりが浮き彫りになった。
人工知能(AI)技術を使用しているとされるプロジェクトのトークンは、過去24時間で最大35%急騰し、全体的にはほぼ横ばいの暗号資産(仮想通貨)市場の中で、このセクターの上昇を牽引した。
CoinGeckoのデータによると、Fetch.ai(FET)、SingularityNET(AGIX)、Ocean Protocol(OCEAN)がAIトークンの成長を牽引し、このカテゴリーは平均15%上昇した。時価総額1億ドル(約155億円、1ドル=155円換算)以上のトークンは最低でも4%上昇し、より幅広い暗号資産市場を反映したCoinDesk20指数(CD20)の0.22%上昇を上回った。
このような成長は、チップメーカーであるエヌビディア(Nvidia)の株価急騰を反映したもので、6月17日からの5%の上昇により、同社はマイクロソフトを抜いて世界で最も価値のある企業となった。エヌビディアは暗号資産関連企業と直接の関係はないが、同社の株価上昇はAI関連トークンを動かす傾向がある。
AIとは、人間のように考え、行動するようにプログラムされた機械における人間の知能のシミュレーションを広く指す言葉だ。2023年初頭から、トレーダーたちはこの分野が次の暗号資産市場で利益の伸びを牽引すると予測しており、今のところ、その予想は的中している。
「AIは、伝統的な市場と暗号資産の両方で注目されている分野だ」と、Nansen.aiのアナリスト、エドワード・ウィルソン(Edward Wilson)氏は6月20日にCoinDeskにテレグラムのメッセージで語った。「エヌビディアが世界で最も価値のある企業となったことを受けて、AIトークンが上昇していることは驚くことではない」。
「ニアプロトコル(NEAR)やレンダートークン(RNDR)などのトークンは、過去1年間で300%近く上昇している。一方、同じ期間におけるイーサリアム(ETH)の上昇率は100%強にとどまっている。この分野に対する市場の関心の高さがうかがえる」と彼は付け加えた。
しかし、ブロックチェーンプロジェクトにおける複雑なAI技術の実際の用途については、一部の研究者たちの間では依然として懸念が残っている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:FritzchensFritz/Creative Commons, modified by CoinDesk
|原文:AI Tokens Led by FET, AGIX Surge as Nvidia Zooms to Become World’s Most Valuable Company