ドージコインの資金調達率がマイナスに──トレーダーが空売りを開始か

暗号資産(仮想通貨)市場最大のミームトークンであるドージコイン(DOGE)は、ミームセクター全般が低迷する中、ショートベッティングの対象となり始めており、ミームセクターにとっては懸念材料になりかねない。

Coinalyzeのデータによると、DOGEの資金調達率(ファンディングレート)は6月18日からマイナスに転じ、20日の時点で-0.0027%に達した。これは2023年10月に記録された水準だ。資金調達率とは、先物市場と現物市場の価格差に基づいて付与・または徴収される手数料のことだ。先物市場の方が価格が高い場合、資金調達率がプラスになり、ロングポジションを持つトレーダーはショートポジションを持つトレーダーに手数料を支払うことになる。

これらのレートは通常それほど大きなものではないが、トークンの価格下落とともに継続的に低下している場合は、市場に弱気なムードがあることを示している。DOGEは過去1週間で12%下落し、3月以来の利益がすべて帳消しになった。

DOGEの資金調達率はマイナスに転じ始めている。(Coinglass)

DOGEの建玉、つまり未決済の先物契約の数は、17日の約8億ドル(約1240億円、1ドル=155円換算)から20日の6億1100万ドル(約947億円)に減少しており、トークンの需要の低下を示している。

3月には一時的にレートが赤に変わったが、これまでのところ、長期にわたって赤になったことはない。

トレーダーがリスクの高いトークンからビットコイン(BTC)やステーブルコインへの移行を警戒する中、ミームコインセクターのトークンは7日間で最大40%の損失を記録した。

「ビットコインの価格が下落すると、ミームコインはそれに追随するだけでなく、価値をさらに大きく失う傾向がある」と、投資プラットフォームStocklyticsのアナリスト、ニール・ロアーティ(Neil Roarty)氏は20日のCoinDeskへのメールで述べている。「ミームコインの夏に向けた計画は、保留せざるを得ないかもしれない」。

(CoinGecko)

今週初めに報じられたように、DOGE先物トレーダーは6000万ドル(約93億円)ものロングポジションの清算に見舞われ、異例なことにビットコイン先物よりも多くの損失を被り、2021年5月以来最悪の日を記録した。

こうした下落は、過去数週間にわたってビットコイン価格が、大口保有者による20億ドル(約3100億円)分の売却、アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)からの純流出、ドル高などの影響で低迷していたことが背景にある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Dogecoin Traders Appear to Short Token as Meme Coin Frenzy Eases