SOL/ETHレシオが3カ月ぶりの低水準に──アナリストはさらなる下落を予想
  • イーサリアムETFが他のアルトコインよりも注目されるにつれ、SOL/ETHレシオは下落している。
  • テクニカル指標は弱気に転じ、この比率のさらなる下落を示唆している。

1カ月前、CoinDeskはイーサリアム(ETH)スポットETF(上場投資信託)の投機的取引が、ソラナ(SOL)を含むアルトコインからETHへの資金流出を加速させる可能性について論じた。

その後、市場は予想通りの動きを見せ、チャートプラットフォームTradingViewによると、SOLとETHのドル建て価格比率はバイナンス(Binance)で3月13日以来の最低値である0.038まで、約35%下落した。

この下落により弱気派が優勢となり、さらなる損失が発生する可能性があると暗号資産(仮想通貨)トレーダー兼アナリストのジョシュ・オルシェビッチ(Josh Olszewicz)氏は指摘している。

「SOL/ETH は反転している」とオルシェビッチ氏はXで述べ、一目均衡表のサポートラインの突破など、テクニカルチャート上の重要な弱気の展開を指摘した。

日本のジャーナリストで株式評論家の細田悟一が1960年代後半に考案したのが「一目均衡表」だ。この指標は、先行スパンA、先行スパンB、転換線、基準線、遅行スパンの5本の線から構成されている。先行スパンAと先行スパンBの差が雲となり、より広範なトレンドを特定するために使用される。

SOL/ETH の場合のように、雲の下へと抜けた場合は、市場トレンドの弱気転換を表す。

SOL/ETHレシオの日足チャート。(TradingView)
SOL/ETHの日足チャート。(TradingView)

SOL/ETHのチャートでは、上昇する支持線と水平の抵抗線によって識別される、通常強気である上昇トライアングルと呼ばれるパターンも破綻している。

上昇トライアングルは買い手が優勢な場合に形成され、通常、先行する上昇トレンドの延長につながる。しかし、SOL/ETHは上昇トレンドラインの支持線を下回り、弱気トレンドへの転換を示唆している。

下落傾向がもっとも抵抗の少ない道筋だが、グレイスケール・イーサリアム・トラスト(Grayscale Ethereum Trust:ETHE)からの資金流出があれば、このペアは一時的に反発する可能性があるとオルシェビッチ氏は述べている。

アメリカでビットコイン現物ETFがデビューした翌月には、グレイスケール(GrayScale)のビットコインETFであるGBTCから65億ドル(約1兆円、1ドル=155円換算)の資金流出があり、他のファンドへの大幅な資金流入を相殺した。7月に上場が予想されるイーサリアム現物ETFでも同様の動きが見られる可能性があり、ETHの上昇は抑制されるかもしれない。

オルシェビッチ氏によると、ブラックロック(BlackRock)がSOL連動型ETFの立ち上げを申請すれば、SOLに買い手がつく可能性があるが、ETF大手がそうすることは考えにくいという。

「注意してほしいのは次のことだ。ETHEからの資金流出により、このペアは一時的に上昇する可能性があるということ。そして、ソラナETFは申請されない可能性が高く、イーサリアムのETFが成功すれば、このペアは下落を続けるだろう」とオルシェビッチ氏は述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView
|原文:Solana-Ether Ratio Hits 3-Month Low, Analyst Anticipates Further Losses