ビットコイン、6万1000ドル台まで下落──強気派は1億5000万ドルの清算
  • 過去24時間で主要トークンは最大7.5%の大幅な下落を記録した。ビットコインは3%を失い、イーサリアム、カルダノ、ソラナなどの他の主要暗号資産も下落した。
  • この下落により、1億5000万ドルを超える強気の賭けが清算された。これはビットコインマイニング業者による大規模な売却、ドイツ政府による大量のBTCの取引所への移動、これらの動きに影響を受けた広範な市場心理などの要因が考えられる。

ビットコイン(BTC)が先週の利益を帳消しにしたこともあり、主要トークンは過去24時間で最大7.5%下落し、週末に1億5000万ドル(約240億円、1ドル=160円換算)以上の強気な賭けが清算された。

ビットコインは3%下落し、イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、バイナンスコイン(BNB)も同様の下落を記録した。ソラナ(SOL)は7%下落し、6月24日の朝には120ドル近くまで下落した。一方、ドージコイン(DOGE)や柴犬コイン(SHIB)といったミームコインは5%近く下落した。

より広範なトークン(ステーブルコインを除く)を追跡するCoinDesk20指数(CD20)は4%強下落した。

この動きにより、値上がりへの賭けであるロングポジションは1億5000万ドル以上の清算を記録した。一方、ショートポジション(下落への賭け)の損失額は900万ドル(約14億4000万円)と比較的少額に留まった。清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。

一部のファンドは、損失の原因をビットコインマイニング業者の大量売却と、ドイツ政府が大量のBTCを取引所に移動させたことに対する感情な反応にあると主張した。

「半減期後の損益分岐点価格の上昇により、マイナーは売却へと多大な圧力をかけられてきた」と、シンガポールに拠点を置くQCPキャピタル(QCP Capital)は週末のテレグラムのブロードキャストで述べた。「マイナーのBTC保有量は過去14年間で最低水準まで落ち込み、年初から5万BTC減少した」。

そして、「市場はまた、新たな大量の供給源の出現に怯えている。ドイツ政府はここ数日間でおよそ3000BTCを売却したとされており、さらに4万7000BTCを売却する予定だ」と付け加えた。

以前報じたように、ビットコインの「クジラ」と呼ばれる大口保有者は、6月の最初の2週間だけで10億ドル(約1600億円)相当のBTCを売却した。2013年に海賊版サイトから5万BTC近くを押収したドイツの連邦刑事庁(BKA)は、先週、数千万ドル相当のBTCをコインベース(Coinbase)やクラーケン(Kraken)などの暗号資産(仮想通貨)取引所に移動させ始めた。

24日の下落により、ビットコインにとって今年最悪の週がさらに長引いたことになる。ここ数週間、大口保有者による10億ドルの売却、ドル高、アメリカのテクノロジー株指数の好調を受け、BTC価格は全般的に下落していた。

アメリカで上場されているビットコイン現物ETF(上場投資信託)は先週、10億ドルを超える純流出を記録したことがデータで明らかになっている

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Tumbles Toward $62K as Crypto Bulls See $150M in Liquidation