マウントゴックス、7月から弁済開始──ビットコインは6万ドルをめぐる攻防
  • 2014年にハッキングを受けて破綻したマウントゴックスは、2024年7月から顧客に弁済を開始すると発表した。
  • 弁済はビットコインとビットコインキャッシュで行われ、両市場に売り圧力が加わる可能性もある。

マウントゴックスの再生債務者MTGOXと再生管財人の小林信明氏は、2014年にビットコイン取引所マウントゴックスから盗まれた資産について、顧客への弁済を7月第1週から開始すると発表した。

「再生管財人は、再生計画に基づき、ビットコイン及びビットコインキャッシュによる弁済の準備を進めてきました」(24日、ウェブサイトに掲載された声明より)

「弁済は、令和6年7月はじめから実施されます」とあるが、実際に弁済が開始される前に一定の安全対策が必要になる。

市場には、弁済がビットコイン(BTC)への売り圧力となると見る向きもある。一部の初期投資家は、当時の投資額よりもはるかに高い価値で資産を受け取ることになるため、少なくとも一部を売却する可能性があるからだ。

マウントゴックスはかつて世界最大の暗号資産取引所であり、創業当初はビットコイン取引の70%以上を扱っていた。2014年初頭、ハッカーが取引所を攻撃、推定74万ビットコイン(現在の市場価格で約150億ドル、約2兆4000億円、1ドル160円換算)が失われた。

管財人は数年にわたって弁済計画を立てており、昨年、東京地裁から2024年10月を期限とする決定を受けていた。5月、マウントゴックスはコールドウォレットから約14万ビットコイン(約90億ドル相当)を13回の取引で移動させた。オンチェーンでの移動が確認されたのは5年ぶりだった。

CoinGeckoのデータによると、ビットコインは24日、アジア時間の早朝には6万2300ドルを超えていたが、この発表を受けて下落。一時6万ドルを割ったが、25日8時30分時点では、6万180ドル付近とやや回復している。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Mt. Gox to Begin Repayments in July; BTC Slides Under $61K