ソラナ、SNSアプリでの暗号資産取引を可能にする新機能「Blinks」「Actions」を追加

ソラナ(Solana)ブロックチェーンは、暗号資産(仮想通貨)の最新の「ミームコイン」ブームの中心地。新機能の「アクション(Actions)」と「ブリンク(Blinks)」は、ミームコインなど話題の暗号資産トレンドをより多くの人々が利用できるようにする可能性がある。

暗号資産取引をさらに身近に

ソラナ財団がソラナプロトコル「Dialect」と共同で開発したブリンクとアクションは、人々が毎日利用しているウェブサイトやソーシャルプラットフォームから直接ブロックチェーン上で取引を行うことを可能にする。

「ソラナのアクションによって、ユーザーはウェブサイト、ソーシャルメディア、物理的なQRコードなど、様々なプラットフォームでオンチェーン取引を実行できる」とソラナ財団は説明。「アクションによって、開発者はソラナエコシステムでできることすべてをアプリケーションに簡単に統合できる」という。

このテクノロジーは、ファントム(Phantom)やバックパック(Backpack)のような人気のソラナウォレットですぐにサポートされ、他のアプリでも開発者向けドキュメントにある実装方法に従って統合することができる。

ミームコイントレーダーは、昔ながらのインターネットミームから政治家まで、あらゆるものをモチーフに作られたミームコインを売買する。ソラナは最近、ミームコインの最大の拠点となっており、オーストラリアのラッパー、イギー・アゼリアのトークン「Mother」は6月のローンチから1カ月足らずで時価総額7000万ドル(約112億円、1ドル160円換算)に達した。すでに今年のミームコインブームでブレイクしたドッグフィフハット(WIF)は20億ドル以上の時価総額を誇っている。

ミームコインには否定的な意見も多いが(ミームコインの取引はときに投資というよりもギャンブルに似ている)、暗号資産支持者の中にはミームコインをめぐる盛り上がりはブロックチェーンをさらにメインストリームに押し上げる一助になると考えている人もいる。

しかし、ブロックチェーンがどこにでもあるようなものになるためには、その基礎となるテクノロジーのアップグレードがどうしても必要だ。

複雑なウォレットや操作しにくい取引プラットフォームは、ミームコイン取引や暗号資産取引全般を初心者にとっては難しいものにしている。

新機能で可能になること

そこでソラナの新機能の出番だ。

「ソラナのアクションとブリンクは、インターネット上のあらゆるウェブサイトやアプリケーションをオンチェーンインタラクションの流通ポイントにすることを可能にし、メインストリームへの普及という目標達成に向けて前進させる」とソラナ財団のエコシステムエンジニアリング責任者ジョン・ウォン(Jon Wong)氏は語った。

例えば、Xの投稿に特定のミームコインを参照する「アクション」を埋め込むことができる。その投稿を見たユーザーは、それをクリックするとすぐにソラナ上で取引を開始し、トークンを自分のブロックチェーンウォレットに追加できる。

ユーザーは「ブリンク」(「ブロックチェーン」と「リンク」を合わせた単語)を使って、他のユーザーのアクションを自分のフォロワーと共有することもできる。

「あなたのXフィードから、NFTを買ったり、クリエイターにチップを渡したり、お金を受け取ったり、投票したり、ステーキングしたり、スワップしたり、その他いろいろできる」とDialectの創設者クリス・オズボーン(Chris Osborn)氏は述べた。

アクセシビリティは長い間ブロックチェーンの弱点であり、ソラナの新機能もその解決を目指すものだ。ブリンクとアクションは、例えばコインベース(Coinbase)のBaseブロックチェーン上のソーシャルプラットフォーム「Farcaster」に酷似している。

Farcasterのユーザーは投稿にブロックチェーンアセットへの直接リンクを簡単に埋め込むことができ、Web3パブリッシングプラットフォームMirrorのクリエイターが手がけるユーティリティ「Kiosk」のようなFascaster専用のクライアントは、ブリンクのようなCTA(コールトゥアクション:行動喚起)をセールスポイントの中核にしている。

Farcaster、Kiosk、ソラナはいずれも、ソーシャルメディアプラットフォームが暗号資産文化の最前線にあり、ユーザーがミームやニュース、取引機会を交換する場所であるという事実に明らかに駆り立てられている。

今後への期待

ソラナのテクノロジーは、新しい独立したWeb3アプリではなく、既存のWeb2ソーシャルアプリにブロックチェーン機能をプラグインするという点で際立っている。

「これはソーシャルメディアのフィードでは非常に理にかなっている」とオズボーン氏は語ったが、彼はアクションが最終的にウェブの仕組みを根底からディスラプトすることを期待している。

「これらのアクションをXやレディット(Reddit)、もしかしたらまもなくディスコード(Discord)のような、人々がアクションによる体験を望んでいる他のプラットフォームのフィードに配信することは、ほんの始まりに過ぎない。私が本当にワクワクしているのは、スキューモーフィック(既存のものに似せたもの)ではない、真の『Web3』インターネットバージョンは何かということ。それが何かはまだわからないが、このアクションという考え方が核になると思う」とオズボーン氏は述べた。

|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:Primakov / Shutterstock.com
|原文:Solana Adds ‘Blinks’ and ‘Actions’ So Users Can Trade Crypto On Their Favorite Social Apps