6月は1120万円を記録も買い需要続かず、夏枯れ相場の可能性高まる【bitbankチャート分析】

ビットコイン月足

  • ビットコインの6月の月足は、現在のところ-8.8%を記録しています。今月も残り僅かとなっていることから、陰線となる見通しです。5月の月足は10.5%の上昇となっていましたが、上昇幅をほぼ帳消しにする動きとなっています。現在の価格である970万円近辺で今月の取引を終えると3ヶ月移動平均線(3EMA)を下回ることになります。3EMAを下回った場合は昨年8月以来となります。ここ4ヶ月間の終値ベースの安値は921万円となっています。今月の月足が921万円を下回った場合は、かなり弱気のチャートに変化します。

ビットコイン週足

  • 6月のビットコインの週足は、1066万円から取引が始まりました。初週は底堅い動きとなり、過去最高値となる1123万円を記録しました。一方、買いは続かず2週目から相場は売りが優勢となります。2週目から今週までに約10%ほど下落しました。3週目には8週移動平均線(8EMA)を割り込み、値動きが弱気に転じました。今週に入っても相場は月曜日から売り込まれ、ここ7週間の安値で推移しています。現在のところ強い反発も入っておらず、弱気トレンドの継続が見込まれています。

ビットコイン日足

(bitbank.cc)
  • ビットコインの日足チャートは現在、中期移動平均線(90EMA)の下位で推移しています。移動平均線は短期が上位で推移するパーフェクトオーダーが維持されており、長期的には強気トレンドが継続していることを示しています。一方、日足がこのまま90EMAの下位で推移し、短期移動平均線(30EMA)が90EMAをデッドクロスした場合は、パーフェクトオーダーが崩れチャートは弱気になります。5月は中期移動平均線近辺から今後買い戻しが入るか注目です。今後の相場の反発が弱く日足が90EMAの下位を維持した場合は、長期移動平均線(200EMA)近辺までの下落は想定する必要が出てきます。200EMAは現在900万円近辺で推移しています。

デリバティブ市場はまだロングポジションが追加されている状態か

  • 上記はビットコイン無期限先物取引のファンディングレートチャート(FR)になります。FRは今週の相場の安値圏で一時マイナスとなる場面がありましたが、即座にプラスを回復しています。1ヶ月前と比べるとFRは徐々に低下し、投機熱は冷めつつあるものの、まだ短期的なロングポジションが積まれていることを示しています。デリバティブ市場でロングポジションが積まれている間は、相場の上値が重くなる傾向があります。
  • 上記は3ヶ月先のビットコイン先物取引価格と現物価格の乖離率を表しています。乖離率は足元で10%台で推移しています。今月は一時9.4%まで下落する場面がありました。こちらも乖離率が徐々に低下し、投機熱は減退傾向にあります。一方、10%の上乖離はまだまだ投機筋が今後の価格上昇を織り込んだ推移となっています。相場自体はここ3週間売りが優勢となっていますが、投機筋は買い目線を捨てきれていないことを示しています。

まとめ

  • 6月のビットコイン相場は、過去最高値更新後に強い利確売りが発生し、下落トレンドに転じる展開となりました。高値を大きく超えて行けるような買い需要に乏しかったことを示しています。テクニカルでは短期的に弱気なチャートとなり、今月900万円台前半で取引が終了した場合は、中長期的なトレンドも弱気に移行する可能性があります。デリバティブ市場では、投機熱が冷めつつあることが示されている一方、投機的に売られている様子はなく、相場の悲観はまだ足りないないと見られます。足元の相場としては短期の下落トレンドがどこで底打ちするかを見極めることが必要となります。相場が下落した値頃感からの買いには注意でしょう。現状のチャートでは7月も上値が重い展開が予想されます。相場が引き続き停滞するような5月の安値900万円近辺を試す動きとなるでしょう。

|文:真田雅幸/bitbankマーケット・アナリスト
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|トップ画像:Shutterstock