- イーサリアム現物ETFは、最初の18カ月間で150億ドルの資金を集める可能性が高いとビットワイズのマット・ホーガンCIOは述べている。
- 潜在的な流入額は、ビットコインとイーサリアムの時価総額を比較することで推定できるとビットワイズの報告書には書かれている。
- ビットコインは先行者利益の恩恵を受けており、これがイーサリアム現物ETFへの資金流入を減少させる可能性があるという。
イーサリアム(ETH)の現物ETF(上場投資信託)は、今後数カ月以内にアメリカでの取引が承認される見通しだが、最初の18カ月間で150億ドル(約2兆4000億円、1ドル=160円換算)の純流入が見込まれると、ビットワイズ(Bitwise)の最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン(Matt Hougan)氏は6月24日の報告書で述べている。
潜在的な流入額を推定する一つの方法は、ビットコイン(BTC)とイーサリアムの時価総額の合計に占める割合を考慮することだと報告書は述べている。それによると、ビットコインは現在、時価総額の合計の74%を占めている。投資家は、おそらくビットコインとイーサリアムのETFに同じ割合で投資するだろう。
ビットワイズは、1月にビットコイン現物ETFが導入されて以来、アメリカの投資家がビットコイン現物ETFに560億ドル(約8兆9600億円)を投資したと述べ、大手証券会社が自社のプラットフォームで取引することを承認すれば、2025年末までに1000億ドル(約16兆円)以上に達する見込みだと付け加えてた。
「この1000億ドルという数字を参考にするなら、イーサリアム現物ETP(上場取引商品)は資産を350億ドル(約5兆6000億円)集める必要がある。私はこのプロセスに約18カ月かかると見込んでいる」とホーガン氏は書いている。
グレイスケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)は運用資産(AUM)が100億ドル(約1兆6000億円)あり、現物ETFに転換すると予想される。そして均衡状態に達するにはさらに250億ドル(約4兆円)が流入する見込みだ。
しかし、カナダではイーサリアムETPは総運用資産のわずか22%~23%を占める程度で、「時価総額に比べるとやや劣る」と報告書は指摘している。この乖離は、ビットコインの先行者利益と関連付けられるとホーガン氏は書いている。
「一部の投資家はビットコインのETPを購入し、そこで手を止めてしまったかもしれない。暗号資産(仮想通貨)へのエクスポージャーはこれで十分だと考えたのだろう」と報告書は述べており、この傾向はアメリカでも同様である可能性があると付け加えている。カナダのようにイーサリアムETFが市場の22%しか占めないと仮定すると、新規流入額の推定値は180億ドル(約2兆8800億円)に減り、その他の要因でさらに30億ドル(約4800億円)が削られ、150億ドル(約2兆4000億円)になる。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ビットワイズのマット・ホーガンCIO。(CoinDesk)
|原文:Ether Spot ETFs to Attract $15B of Net Inflows in First 18 Months: Bitwise