- ビットコインとPoliFiトークンのTRUMP、TREMP、BODENは、大統領候補の討論会を前に損失を被った。
- トランプ氏は大統領選挙キャンペーンにおいて暗号資産を重要な争点としているため、暗号資産トレーダーはこのテレビ討論会を注視している。
- 暗号資産コミュニティの共通認識としては、トランプ氏が勝利すれば業界にとって有利になるという見方が強いようだ。
アメリカ東部時間の6月27日午後9時(日本時間28日午前10時)に予定されている現職のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領と、暗号資産(仮想通貨)に好意的な共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏との重要なアメリカ大統領選挙のテレビ討論会を前に、暗号資産市場は盛り上がりを欠いた。
Coingeckoによると、協定世界時(UTC)午前5時ごろには、PoliFiセクターの主要トークンであるTRUMPは8ドル50セント付近で取引され、24時間で0.5%の下落となった。ソラナ(Solana)ベースの対抗トークンTREMPは7.2%安の74セント、バイデン氏をテーマにしたBODENは16%安の13セントで取引された。一方、時価総額でトップの暗号資産であるビットコイン(BTC)は1%安の6万1000ドルで取引された。
TSロンバード(TS Lombard)によると、2024年最初のテレビ討論会は、「有権者を驚かせるような発言がいくつかあるだろう。デッドヒートのレースを形作ることはできなくても、レースを変える可能性はある」という。
「もし安定感を欠くバイデン氏がライバルに引けを取るようなら、民主党の大口献金者からの立候補取りやめ圧力が高まるだろう。特にバイデン氏は2カ月連続で資金調達で後れを取っているので、その傾向は強まる。もしトランプ氏が暴走すれば、共和党はひるむかもしれないが、共和党の候補者は変わらないだろう。むしろ、彼の選挙キャンペーンを安定させる責任は、トランプ氏のまだ発表されていない副大統領候補に移ることになるだろう」とTSロンバードは6月25日の顧客向けメモで述べた。
「いずれにしても、(前回の険悪なトランプ氏とバイデン氏の討論会で設定された)ハードルは低いが、リスクは高い」とTSロンバードは付け加えた。
暗号資産業界は、大統領候補のテレビ討論会で暗号資産が議論されるようにロビー活動を行っており、2人の候補者の発言により市場に変動が生じる可能性がある。
トランプ氏は、業界のリーダーたちに働きかけたり、最近になって残っているすべてのビットコインをアメリカがマイニングする必要性を強調したりするなど、大統領選挙キャンペーンにおいて暗号資産を重要な争点としてきたため、暗号資産トレーダーは討論を注視している。そのため、暗号資産は現在トランプを巡るトレードと見なされており、スタンダードチャータードはトランプ氏勝利の可能性を背景に、BTCが史上最高値を更新して15万ドルに到達すると予想している。
一方、バイデン氏は沈黙を守り、連邦政府機関に対し、連邦準備制度理事会(FRB)が管理する中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入など、リスクと機会を調査するよう要請している。
「今夜行われる大統領候補による初の討論会を前に、暗号資産トレーダーたちは、11月の選挙がビットコインやその他の分野にどのような意味を持つのか、そのヒントを熱心に探しているだろう」と、投資プラットフォームStocklyticsのアナリスト、ニール・ロアーティ(Neil Roarty)氏はCoinDeskへのメールで述べた。
「暗号資産コミュニティのコンセンサスとしては、トランプ氏の勝利は業界にとって好ましいものとなるだろうという見方が強いようだ。彼が公然と支持していることはさておき、ビットコインは政治や経済が不安定な時期には好調なパフォーマンスを見せる傾向があり、トランプ氏の2期目の大統領就任により、その傾向はさらに強まるだろう」とロアーティ氏は付け加えている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:PoliFi Tokens, BTC Under Pressure Ahead of Biden-Trump Debate