今回の米大統領選挙では、暗号資産(仮想通貨)が主要な政策課題として初めて取り上げられ、バイデン大統領とトランプ前大統領が27日のテレビ討論会で対決する際に暗号資産に言及する可能性に対して、業界はロビー活動を行っている(そして備えている)。
そのために暗号資産擁護団体「Stand With Crypto」は、討論会を主催するCNNが暗号資産を議題に上げるよう説得するためのオンライン署名キャンペーンを実施。約2300人が「暗号資産に関する質問を求める」文書に署名して送付したと同団体の広報担当者は26日に述べた。
「この重要な経済問題に対する大統領候補者の見解を米国民に知らせる今回の機会を逃すことは、CNNにとって大きな損失になるだろう」と同団体の広報担当であるサブリナ・シディキ(Sabrina Siddiqui)氏はCoinDeskに語った。討論会が行われるジョージア州における同団体の会員数は、2020年の選挙での候補者間の投票差を大幅に上回っていると同氏は指摘した。
「主要な大統領候補者に、この変革的なテクノロジーについて意見を述べる機会を最初の討論会で与えることは、有権者を育て、米国の暗号資産保有者が確かな情報に基づいて投票するのに大いに役立つだろう」と同団体は文書を締めくくった。
バイデン氏の暗号資産に関する実績は、業界によく知られており、大統領令やホワイトハウスの声明、米証券取引委員会(SEC)を含む同氏が任命した規制当局の動きを見れば明らかだ。トランプ陣営は暗号資産に対して大きな動きを見せなかったが、そのテクノロジーに懐疑的だった立場から熱烈に支持する立場へと最近変わった。
「大統領選の最大の舞台で議題に上がる可能性があるトピックとして暗号資産を議論していることは注目に値し、暗号資産の価値を国政の議論に伝えるのに業界がどれほど進展したかを示すものだ」とブロックチェーン協会のCEOであるクリスティン・スミス(Kristin Smith)氏はメールで声明を発表した。
「暗号資産業界とその拡大するユーザー基盤は、暗号資産に対するアプローチについて候補者間で継続的な議論が行われることを熱望しており、今回の選挙で重要なトピックとして上がったことに活力を感じている」
トランプ氏は米国の暗号資産マイニングの声高な支持者で、また中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行の反対派であり、マイナーへの課税に取り組みCBDCの研究に関心を寄せるバイデン政権との対比を試みている。
「大統領候補者が暗号資産の規制方法だけでなく、米国のイノベーションを抑圧しない責任ある規制の策定方法を議論する重要性を認識していることを、我々は高く評価する」とDeFi教育基金(DeFi Education Fund)の広報担当者は述べた。
|翻訳:廣瀬優香
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Jim Bourg-Pool/Getty Images
|原文:Crypto Insiders Hope for Possible Mention in Biden-Trump Debate