「リアルタイム」ブロックチェーンMegaETHの開発企業MegaLabs、ドラゴンフライ主導で2000万ドルを調達

「リアルタイム」と見なされるほど高速になるよう設計された、イーサリアムネットワークの新しいスケーリングプロトコル「MegaETH」の主要な開発会社であるMegaLabsは27日、ドラゴンフライ・キャピタル(Dragonfly Capital)主導のシードラウンドで2000万ドル(約32億円、1ドル160円換算)を調達したと発表した。

このラウンドには、Figment Capital、Folius Ventures、Robot Ventures、Big Brain Holding、Tangent、Credibly Neutralも参加した。また、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏、Consensysのジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)CEO、アイゲンレイヤー(EigenLayer)の創設者であるセレーラム・カナン(Sreeram Kannan)氏、Flashbotsのハス(Hasu)氏などのエンジェル投資家も参加した。

今回新たに行われた資金調達ラウンドは、今後数か月以内にテストネットを稼働させることを目指して、MegaETHの構築のために使われることになる。

MegaETHは「リアルタイム・ブロックチェーン」を自称している。トランザクション(取引)処理のスピードに重点を置くという意味で、「ミリ秒レベルの応答性で1秒あたり10万件のトランザクション」を処理する計画だ。

MegaLabsの共同創設者であるイーロン・リー(Yilong Li)氏はCoinDeskとのインタビューで、「リアルタイムブロックチェーンとは、トランザクションが到着するとすぐに処理できるブロックチェーンと定義している」とし、「結果として得られる出力を非常に高い頻度で生成する」と説明した。

プレスリリースによると、MegaETHは2つの方法でスケーリングを実現している。それは、「異なるハードウェア構成のネットワークノードが特定のタスクに特化できるようにすることでパフォーマンスを向上させる異種ブロックチェーンアーキテクチャ」と、「スループット、レイテンシ、リソース効率をハードウェアの限界まで押し上げる、超最適化されたイーサリアム仮想マシン(EVM)実行環境」だ。

MegaETHのアイデアは、ブテリン氏が2021年に書いた「Endgame」というタイトルのブログ記事に触発された部分もある。このブログ記事では、ブテリン氏がイーサリアムネットワークのスケーリングについて取り上げている。

ブテリン氏はMegaETHに関するメッセージで、「超スケーラブルなEVM実装を作成することは、イーサリアムを真にスケーリングするための重要な前提条件だ」とし、「優秀な開発者たちがこの課題に取り組むのを見るのは楽しみだ」とコメントした。このメッセージはMegaLabsの代表者からTelegram経由で転送された。

|翻訳・編集:林理南
|画像:MegaLabs
|原文:MegaLabs, Behind the ‘Real-Time’ Blockchain, Raises $20M, Led By Dragonfly