ビットコインマイナーのマラソン、収益多様化を目指し1500万ドル相当のカスパをマイニング
  • マラソンは2023年9月以降、9300万枚のカスパをマイニングしており、価値としては約1500万ドルに上る。
  • マラソンはカスパのマイニング用に30ペタハッシュ相当のマシンを導入しており、第3四半期までにさらに30台が稼働を開始する予定だ。

ビットコイン(BTC)マイニング企業のマラソンデジタル(Marathon Digital)は、マイニング収益の多様化を図るためにレイヤー1プロトコルのカスパ(Kaspa)のトークンであるカスパ(KAS)のマイニングを開始し、現在はマルチコインの暗号資産(仮想通貨)マイナーとなっている。

カスパブロックチェーンは、GHOSTDAGプロトコルと呼ばれるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のコンセンサスメカニズムを使用しており、ビットコインとは異なり、複数のブロックを同時に生成できる。マラソンの声明によると、このプロセスによりトランザクション(取引)が高速化され、マイナーはより多くのブロック報酬を獲得できる。

マラソンの最高成長責任者であるアダム・スウィック(Adam Swick)氏は声明で、「カスパをマイニングすることで、ビットコインだけではない多様化した収益源を生み出すことができる。それはデジタル資産コンピューティングにおける当社の中核的な能力と直接的に結びついている」と述べた。

ビットコインが44%上昇する中、カスパは今年50%近く上昇している。取引高上位の暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk 20 Index(CD20)は16%近く上昇している。

マラソンは昨年9月に最初のマイニングコンピューターを稼働させ、カスパのマイニングを開始した。声明によると、同社は60ペタハッシュ相当のマイニングマシンを購入しており、最大95%の利益率が可能になるという。マラソンはテキサス州の拠点で30ペタハッシュ相当のマイニングリグを稼働させており、残りは第3四半期までに稼働させる予定。同社はすでに9300万KASをマイニングしており、価値としては約1500万ドル(約24億円、1ドル160円換算)に上る。

ビットコインマイナーは暗号資産の冬を経て収益の多様化を模索しており、最近の半減期によって業界の競争は激化している。多くのマイナーは、人工知能(AI)などのコンピューティングのニーズに対応するために現在のインフラを使用する方向に方針転換している。一方、マラソンを含む一部のマイナーは、追加の収益を得るためにビットコイン以外のレイヤーで収益化することを選択している。

|翻訳・編集:林理南
|画像:マラソン・デジタル・ホールディングスのCEO(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Miner Marathon Mined $15M Worth Kaspa Tokens to Diversify Revenue