- ジェミナイは、取引開始から最初の6カ月で、イーサリアム現物ETFに最大50億ドルの純流入が見込まれると予想している。
- イーサリアムはビットコインと比較して依然として割安であり、ETFへの資金流入が活発化すれば、反転のきっかけとなる可能性があると同社は報告書で述べている。
- イーサリアムとビットコインの比率が過去3年間の中央値に戻るとすれば、20%近く上昇する可能性がある。
暗号資産(仮想通貨)取引所のジェミナイ(Gemini)は7月1日の調査報告書で、アメリカでの取引が承認されれば、イーサリアム(ETH)現物ETF(上場投資信託)に最初の6カ月間で50億ドル(約8000億円)の純流入が見込まれると述べた。
この資金流入によって、アメリカにおけるイーサリアム現物ETFの最初の6カ月間の運用資産(AUM)は、グレイスケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)のAUMと合わせると、130億ドル(約2兆800億円)~150億ドル(約2兆4000億円)になると報告書は述べている。
ジェミナイは、イーサリアムの市場価値はビットコイン(BTC)に対して依然として低水準に状態にあるが、流入資金によってイーサリアムの相対的な地位が改善する可能性があると指摘した。
「国際的なETF市場における運用資産額、堅調なオンチェーンダイナミクス、活況を呈するステーブルコイン環境などの差別化要因を考慮すると、今後数カ月の間、ETHのキャッチアップトレードには好ましいリスク・リターンがある」とジェミナイは述べている。
イーサリアム現物ETFは、5月に証券取引委員会(SEC)が上場申請を承認しており、今後数カ月以内にアメリカでの取引が開始される見通しだ。ビットコイン現物ETFは、今年1月にアメリカでの取引が承認された。
イーサリアムとビットコインの比率が過去3年間の中央値である0.067に戻った場合、イーサリアムは20%近く上昇する可能性があると報告書は指摘している。また、最高値の0.087に戻った場合、55%の上昇となるとしている。
イーサリアム現物ETFへの純流入額が30億ドル(約4800億円)を下回るとすれば、ビットコイン現物ETFが最初の6カ月間で150億ドル(約2兆4000億円)の流入があったことを考えると、期待外れの結果と言えるだろうとジェミナイは述べている。ビットコイン現物ETFの3分の1にあたる50億ドルを上回る純流入額は好調な結果であり、半分、つまり75億ドル(約1兆2000億円)に近い数字であれば「大きな好材料」となるという。
この楽観的な見通しは、先週のSteno Researchの報告書とも一致している。Stenoは、ETFへの資金流入やその他の追い風により、イーサリアムは今年後半に6500ドルに達する可能性があると述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:Ether Spot ETFs to See Up to $5B of Net Inflows in First Six Months: Gemini