プライムブローカーのヒドゥン・ロード、主要暗号資産取引所をプラットフォームに追加──ブラックロックのBUIDLトークンの使用も拡大
  • ヒドゥン・ロードは、ブラックロックのBUIDLトークンをネットワーク全体で担保として受け入れることで、BUIDLトークンの使用を拡大した。
  • 暗号資産取引所だけでなく、流動性プロバイダーのB2C2、IMC、Laser Digitalや、ソフトウェアベンダーのTalos、TTもヒドゥン・ロードに加わった。

デジタル資産の取引も扱う機関投資家向けのグローバル信用ネットワークであるヒドゥン・ロード(Hidden Road)は、自社のプライムブローカープラットフォームに大手暗号資産(仮想通貨)取引所をいくつか追加したと発表した。また、大手資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のBUIDLトークンをネットワーク全体で担保として受け入れることで、BUIDLトークンの使用を拡大した。

大手暗号資産取引所を追加

ヒドゥン・ロードは7月1日のプレスリリースで、現在はコインベース・インターナショナル・エクスチェンジ(Coinbase International Exchange)(コインベースとは2022年に提携済み)、OKX(Nitro Spreadsを含む)、デリビット(Deribit)(オプションを含む)、ビットフィネックス(Bitfinex)、ブリッシュ(Bullish)(CoinDeskの親会社)、アジアネクスト(AsiaNext)、SIXデジタル・エクスチェンジ(SIX Digital Exchange)と統合されていると述べた。

BUIDLトークンを担保として受け入れ

ヒドゥン・ロードのグローバル事業開発責任者であるマイケル・ヒギンズ(Michael Higgins)氏はインタビューで、金利が高騰する中、数億ドル規模のデジタル資産を取引する機関投資家はブラックロックのマネー・マーケット・ファンド(MMF)トークンであるBUIDLトークンを保有することで実質的にリスクなしで約5%の利益を得るチャンスを逃すことはないだろうと指摘。また、顧客がBUIDLトークンを担保として使用し、利子を得ることができるとすれば、利回りを生まない資産は競争力を維持するのが難しくなるだろうと述べた。

ヒギンズ氏は、「顧客はBUIDLトークンの形でヒドゥン・ロードに担保を差し入れることができ、当社はそれを良好な証拠金と認識する」とし、「ヒドゥン・ロードはその後、例えばテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などを使用して、関連する取引所での取引に資金を提供する。このため顧客は、利子を稼ぐ資産を当社に差し入れながら実際に取引を行うことができる」と説明した。

デジタル資産のクロスマージンなども可能

ヒギンズ氏によると、ヒドゥン・ロードはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)との既存のパートナーシップにより、CMEではBUIDLなどのデジタル資産トークンのクロスマージンやマージンファイナンスも行うことができる。

同氏は、「以前は、顧客は担保としてビットコイン(BTC)しか差し入れることしかできず、ヒドゥン・ロードはCMEでの取引にマージンファイナンスを提供していた。しかし、もちろんビットコインは利息を生まなかった。現在でもそれは可能だが、BUIDLトークンを担保として差し入れることもでき、当社はCMEでドルを提供する。違いは、BUIDLトークンには利息がつくことだ」と説明。「知る限り、当社は顧客がCMEでの取引の証拠金としてデジタル資産を差し入れることを許可している唯一の決済会社だ」と述べた。

新しい暗号資産取引所だけでなく、流動性プロバイダーのB2C2、IMC、Laser Digital、ソフトウェアベンダーのTalosとTTもヒドゥン・ロードに加わった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:ヒドゥン・ロードのマイケル・ヒギンズ氏(Hidden Road)
|原文:Prime Broker Hidden Road Adds Major Crypto Exchanges, Expands Use of BlackRock’s BUIDL Token