- 第1四半期に見られた暗号資産ベンチャーキャピタル市場の反発は継続している模様、とのレポート。
- ビットコイン価格と投資額の相関関係は、ベンチャーキャピタルの活発さが追いつかずに、崩れてきている。
- ギャラクシーは、アロケーターが市場に戻る準備をしているかもしれず、そうなると下期でのベンチャーキャピタルの活発化につながる可能性があるとの見立て。
ギャラクシー(GLXY)リサーチによると、四半期として見れば直近よりも活発な資金調達環境にあると創業者や投資家が報告しており、暗号資産(仮想通貨)ベンチャーキャピタル市場の回復基調は今年の第2四半期にも及んでいる。
しかし、アナリストのアレックス・ソーン(Alex Thorn)氏とゲイブ・パーカー(Gabe Parker)氏は、現地時間7月2日のレポートで「市場に広まるセンチメントに比べると、データは若干弱気に映っているようだ」と述べている。
案件数は第1四半期の603件から577件に減少している。一方、投資金額は第2四半期になって25億ドル(約4000億円。1ドル160円換算)から32億ドル(約5120億円)へ増加した。
取引案件規模の中央値は320万ドル(約5億1200万円)とわずかに上昇したが、「プリマネーの評価額は中央値で3700万ドル(約59億2000万円)と史上最高値近くまで劇的に上昇した」と同レポートは指摘し、直近の暗号資産市場における盛り上がりが「投資家間での大きな競争および遅れをとるまいとする不安」につながっていることが示唆された。
ビットコイン価格と暗号資産スタートアップ投資額との相関関係
同社は、ビットコイン(BTC)価格と暗号資産スタートアップへの投資額の相関関係が崩れていると指摘する。世界最大の暗号資産として昨年1月初めから大幅な価格上昇が見られた一方、ベンチャーキャピタルはその勢いに比べると乗りあぐねており活発とは言えない。
今年1月にビットコインのETF(上場投資信託)がスポットで導入され、ビットコインレイヤー2が出現したこと、さらに規制上の課題やマクロ的な逆風が重なったことが、この乖離につながったとレポートでは述べられている。
同社によれば、年初来から投資額は伸びているものの、ビットコインが最後に6万ドル(約960万円)を超えて取引された2021年から22年当時の水準を大きく下回っている。
同レポートによると、第2四半期において、全投資額の78%はアーリーステージの企業へ、20%はそれ以降のステージにある企業へもたらされた。より大規模で総合的なベンチャーキャピタルは、この業界から撤退するか、活動を大幅に縮小しており、ステージが後期にあるスタートアップにとっては資金調達が難しくなっている。
流動性の高い暗号資産が盛り返すことで、アロケーターは市場に戻る準備をしている可能性があり、そうなると下期にベンチャーキャピタルがより活発になることに繋がる、と同レポートは付言している。
|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:Crypto Venture Capital Market Rebound Extends Into Second Quarter: Galaxy