ビットコインが6万ドルを割るとETFの清算が急増する可能性:アナリストが指摘
  • 米国のビットコイン現物ETFの買い手の平均エントリー価格は、6万ドルから6万1000ドルで、このレンジを割り込むと清算が急増する可能性があると10xリサーチは指摘。
  • 機関投資家によるETFの買いの増加はまだ起こっていないという。

トレーダーは、切りの良い数字を重大なサポートやレジスタンスのレベルとして誤って引き合いに出すことが多い。しかし今回のケースでは、ビットコイン(BTC)が現在到達しそうな6万ドルという水準は、本当に重要である可能性がある。

「ビットコイン現物ETF(上場投資信託)の平均エントリー価格は6万ドルから6万1000ドルで、このレベルを再テストすることで清算が急増する可能性があると我々は見積もっている」と10xリサーチ(10x Research)の創設者、マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は述べた。

ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)によると、1月11日にビットコインETFの取引が開始して以来、米国の11のETFが140億ドル(約2兆2400億円、1ドル160円換算)を超える純流入を集めた。ティーレン氏によれば、資金流入の30%は純粋な強気ベットではなく、ベーシストレードと呼ばれる裁定取引(アービトラージ)戦略の一部。

ブラックロック(BlackRock)は、政府系ファンド、年金基金、寄付基金などの有力機関が現物ETFを取引する可能性が高いと述べた。この発言後、ビットコインは4月下旬に6万ドルを割り込み、約5万6000ドルで底を打った。だが、JPモルガン(JPMorgan)は最近、現物ETFへの資金流入の80%が既存の暗号資産(仮想通貨)市場参加者によるものであると明らかにした。

「ビットコインが5月2日に5万6500ドルまで下落したとき、ブラックロックは『政府系ファンドと年金基金』が参入すると主張した」とティーレン氏は指摘。「これは下落を食い止めるのに役立ったが、今やブラックロックは、同社のビットコインETF『IBIT』の購入の80%は機関投資家ではなく個人投資家によるものだと述べている」。

ビットコインは4週間で14%近く下落。その主な原因は、マイナーや古いウォレットによる売却の加速、ドイツによる保有暗号資産の売却、破綻した取引所マウントゴックス(Mt. Gox)による弁済が売却の増加に拍車をかけるという懸念だ。

ビットコインは過去24時間で4%下落し、6月28日に6万ドルをわずかに下回った後、6万200ドルで取引されている。

|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Bitcoin Losing $60K Handle May Trigger Wave of ETF Liquidations: Analyst