京都で開かれたスタートアップの大規模イベント内で開催されたコンテストで、膨大な食のデータを記録するブロックチェーンを開発するSARAHが優勝した。
4日にスタートしたイベント「IVS Crypto/JBW Summit」で、スタートアップが競うコンテスト「IVS Crypto THE DEMODAY -web3 LAUNCHPAD-」が翌日に開催された。
海外から99件の応募があり、連続起業家であり投資家の國光宏尚氏をはじめとする審査員が10社を選出。審査員をはじめ、会場に集まったのオーディエンスを前にしたデモの結果、SARAHがトップの座を収めた。
レッドオーシャンとも言われるグルメアプリ業界で、人の外食行動や飲食店のメニューを評価する口コミなど、あらゆる食のデータを記録するブロックチェーンの開発を進めるスタートアップのSARAH。
SARAHが開発しているのは、アバランチ・ブロックチェーンを基盤とする「ONIGIRI Chain(オニギリチェーン)」。食とヘルスケアに関するデータをプライバシーを守りながら蓄積することで、金融や保険、医療などの分野でも活用できる仕組みを作るというもの。
従来、食に関するデータは相対で価格付けされてきたが、トークンを介することで、市場価格による価格付けを可能にする。
「SARAHはWeb2として始まったサービスではあるが、Web3、ブロックチェーンといった技術を活用することで、より便利で楽しいサービスを提供することができると思っている」と、CEOの酒井勇也氏はCoinDesk JAPANのインタビューで述べる。
「SARAHはメニュー単位という特徴を活かして、我々のミッションである「おいしい!を増やす」を世界中で実現していきたい。食は日本の最大の強みであり、世界で通用する資産であると考えている。我々はこの日本の資産を武器に、まずは食の親和性が強いアジアにフォーカスをあててサービスを拡大させていく」
現在までに、味の素、セブン‐イレブン・ジャパン、ハウス食品などの食の企業が、SARAHに出資している。2014年の創業から、同社は総額約10億円を調達してきた。
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なお、CoinDesk JAPANを運営するN.Avenue株式会社は、7月5日・6日に一般社団法人JapanBlockchainWeekと「JBW Summit at IVS Crypto」を共催。また、7月31日まで続く「Japan Blockchain Week」のメイン・メディアパートナーを務める。
|文:佐藤 茂、増田隆幸
|トップ写真:Sarah 酒井氏のXアカウント