ドイツ財務相、デジタルユーロを支持もリブラには「極めて批判的」

ドイツ財務相は、ユーロのデジタル化支持を表明した。だが、フェイスブック(Facebook)のリブラ(Libra)のような、民間の通貨プロジェクトには反対している。

ドイツのビジネスニュースメディア「Wirtschafts Woche」に対してオラフ・ショルツ財務相は、リブラには「極めて批判的」であることは変わらないと述べた。しかしeユーロは、ヨーロッパの金融システムに対して、特に経済のグローバル化の波の中で、良いものとなるだろうとの考えを示した。

「eユーロは、(ヨーロッパの)金融センター、そしてその世界の金融システムへの統合にとって良いものとなるだろう」とショルツ財務相は述べた。

「この分野は中国、ロシア、アメリカ、あるいは民間企業に任せておくべきではない」

リブラを阻止すると発言したブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)フランス経済・財務相など、他のヨーロッパの指導者たちと同様にショルツ財務相も、通貨発行の権力は、国家の手中に収めておくべきと述べた。

「国家主権の核となる要素は通貨の発行であり、それを民間企業に任せることはない」

米下院金融サービス委員会の委員長を務める民主党のマキシン・ウォーターズ(Maxine Waters)下院議員が、規制当局の許可が下りるまで、リブラのローンチを遅らせるようフェイスブックに求めるなど、アメリカの一部議員も同様の意見を持っている。

下院金融サービス委員会は現在も、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOに対して、2020年1月までにリブラについて議会で証言するよう、圧力をかけている

リブラの運営・管理を目的としたリブラ協会(Libra Association)のメンバー企業は、今四半期中に公式の憲章に署名する予定だが、そうした非難の影響を感じている。金融サービス企業のペイパル(PayPal)は先週、自社のミッションに取り組む必要性を理由に、リブラ協会を脱退する決定を発表した。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Olaf Scholz image via Shutterstock
原文:German Finance Minister Supports Digital Euro, But ‘Very Critical’ of Libra