映画への出資をセキュリティ・トークン化、「映画デジタル証券・フィルムメーカーズプロジェクト1 – HERO’s ISLAND」が登場

ブロックチェーンのユースケースとして、日本では、不動産あるいは社債を投資対象としたセキュリティ・トークン(ST、デジタル証券)市場が成長し、「RWA(現実資産)トークン化」の先進事例としてグローバルからも注目を集めている。

そしてST市場のさらなる普及・拡大のためには、現在人気を集めている不動産あるいは社債以外の資産を投資対象とするSTの登場が期待されており、例えば、大和証券は太陽光発電施設を対象とするSTに取り組んでいる。

関連記事:大和証券、太陽光発電のデジタル証券を24年度中に発行へ──日本初、インフラファンドのトークン化【インタビュー】

こうしたインフラ施設、あるいは航空機などもセキュリティ・トークンの裏付け資産として検討が進められているようだが、金融庁のEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)によると、映画製作委員会に投資する匿名組合出資持分(GK-TK)のセキュリティ・トークンが登場するようだ。

「映画デジタル証券・フィルムメーカーズプロジェクト1 – HERO’s ISLAND」は、戦後の沖縄を舞台に、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝などが出演する2025年公開予定の映画『宝島』(配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)の映画製作委員会に投資する匿名組合への出資持分をセキュリティ・トークン化するもの。

セキュリティ・トークン(ST)発行・管理基盤を提供するSecuritize Japan(セキュリタイズ・ジャパン)は6月25日、フィリップ証券にSTの基盤システムとしてSecuritizeプラットフォームのサービスを提供すると発表しており、この取り組みは、その第1号案件となるようだ。

EDINETによると概要は以下のとおり。

・名称:映画デジタル証券・フィルムメーカーズプロジェクト1 – HERO’s ISLAND
・発行(売出)数:3,680口
・発行(売出)価額の総額:368,000,000円
・発行(売出)価格:1口あたり100,000円
・申込単位:1口以上1口単位
・申込期間:7月24日から8月13日まで
・発行者:クロスメディア
・取扱会社:フィリップ証券
・プラットフォーム:Securitize

|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock