NBAのサクラメント・キングスは、ファンへの感謝のために仮想通貨トークンを開発した初の米プロスポーツチーム。
「ファンはポイントを獲得してウォレットに入れ、ブロックチェーン・プラットフォーム上ですべて体験できる」とサクラメント・キングスのCTO、ライアン・モントーヤ(Ryan Montoya)氏はCoinDeskに語った。
さらにモントーヤ氏は「キングス・トークン」と呼ばれるトークンは、カリフォルニアでのスポーツ賭博合法化を見越してチームが開発した試合予測プラットフォームとペアになると述べた(2018年5月、米最高裁はスポーツ賭博への連邦政府の制限を覆した)。
キングス・トークンは、ブロックチェーン・ベースのイベントチケット・プラットフォームであるブロックパーティ(Blockparty)との共同の取り組みによるもの。
「我々の見解では、ブロックチェーンはあらゆるイベント体験で役割を担う」とブロックパーティの主任開発責任者ヴラディスラフ・ギンズブルグ(Vladislav Ginzburg)氏はCoinDeskへ語った。
「スポーツの試合でも、音楽フェスティバル、ブロードウェイ・ショーでもすべて」
ブロックパーティはプロジェクトのケーススタディをまとめているとCEOのシヴ・マダン (Shiv Madan )氏は付け加えた。このプロジェクトが成功と見なされ、他のNBAチームにも共有できるように。
開幕戦でローンチ予定
サクラメント・キングスにとって、これはブロックチェーン技術への進出の最新の取り組み。
2014年、キングスは、アリーナにおいてビットコインでの支払いを受け付ける最初のNBAチームとなった。2018年には、仮想通貨マイニングを行う最初のプロスポーツチームとなり、慈善団体に資金を寄付する「マイニングフォーグッド(MiningForGood)」プログラムを立ち上げた。
キングス・トークンはチームのゴールデン・ワン・センター(Golden 1 Center )アプリに追加されたトークン・ウォレットの中に存在する。アプリはファンのエンゲージメントと累積ポイントを記録する。ファンは試合予測プラットフォームを通して報償を獲得し、ポイントは例えば、オリジナルイベント、サイン付き商品、コートサイド・チケットと引き換えることができる。
ERC-20に準拠したこのトークンはイーサリウム上で実行されるが、当初は同チームのアリーナ「ゴールデン・ワン・センター」内でのみ使用可能。ファンはトークンを他の通貨に交換したり、秘密鍵を持つことはできないが、QRコードを見せることでポイントが使え、ブロック・エクスプローラーで取引を確認できる。現在はテストネットで試験中、10月25日(現地時間)の開幕戦の夜にローンチ予定だ。
将来的には、トークン・ユーザーは仲間にトークンを送ったり、近くのレストランでの食事や試合開始のジャンプ・ボールの前に来場することで報償を得ることができるかもしれないとギンズブルグ氏は語った。
「これは大規模な導入事例」と同氏は述べ、次のように付け加えた。
「2万人の観客が集まる41試合、私が期待し、言いたいことは、観客の多くの人はいかなる仮想通貨も持っていないということ。ゴールデン・ワン・センターアプリをダウンロードすることで突然、ERC-20のウォレットにERC-20のトークンを持つことになる 」
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Golden 1 Center image via Shutterstock
原文: NBA’s Sacramento Kings to Reward Loyal Fans With Crypto Tokens