ビットコインマイナーはAIデータセンターを構築するのに魅力的なパートナー:バーンスタイン
  • ビットコインマイナーは、十分な電力と運用能力を確保しており、企業がAIデータセンターを構築するのを支援できるとバーンスタインの報告書は述べている。
  • バーンスタインは、マイナーのアイリス・エナジーとコア・サイエンティフィックをアウトパフォーム銘柄と評価した。
  • バーンスタインはビットコインに対する強気を維持しており、価格が2025年までに20万ドル、2029年までに50万ドル、2033年までに100万ドルを超えると予測している。

投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は7月9日の調査報告書で、ビットコイン(BTC)のマイナーは、利用可能な電力と運用能力により、人工知能(AI)データセンター構築の魅力的なパートナーだと述べた。

コア・サイエンティフィック(Core Scientific)とコアウィーブ(CoreWeave)の12年間の契約や、コーチュー・マネジメント(Coatue Management)によるハット8(Hut 8)への1億5000万ドル(約240億円、1ドル=160円換算)の投資など、最近のAI関連の取引は、この分野にとって重要な起爆剤となっているとレポートは述べている。

バーンスタインは、マイナーのアイリス・エナジー(Iris Energy)のレーティングを「アウトパフォーム」とし、目標株価を26ドルに設定した。また、コア・サイエンティフィックについても「アウトパフォーム」とし、目標株価を17ドルに設定した。9日の早朝の取引では、アイリス・エナジーは13.40ドル、コア・サイエンティフィックは9.79ドルで取引されていた。

ビットコインマイナーは大量の電力を確保しており、現在、約6ギガワット(GW)の電力アクセスが2027年までに最大12GWになると報告書は指摘している。マイニング事業者は「大容量電力相互接続キュー」でリードしているため、潜在的なパートナーがエネルギー供給を確保する時間を節約できる。

「ビットコインデータセンターは、高電力密度ラック、冷却インフラ、一般的なデータセンター運用能力を備えているため、改修するのに理想的だ」とゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリストは報告書に書いており、「2027年末までにビットコインマイナーの電力容量の20%がAIに転換すると予想している」と付け加えた。

バーンスタインによると、アメリカ最大のビットコインマイニング企業5社は今後も規模を拡大し、ビットコインのハッシュレートの約25%を占める見通しで、中期的にはAIにシフトする可能性があるという。ハッシュレートは、業界における競争力とマイニング難易度の代理指標だ。

バーンスタインは依然としてビットコイン強気派であり、その価格が2025年までに20万ドル、2029年までに50万ドル、2033年までに100万ドルを超えると予測している。1月にアメリカでビットコイン現物ETF(上場投資信託)が成功裏に取引開始されたことを受け、その確信はさらに強まっていると同社は述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Miners Are Attractive Partners to Build Artificial Intelligence Data Centers: Bernstein