- Prestoは、ビットコインの強さとビットコインキャッシュの弱さに賭けることで、マウントゴックスの弁済から利益を得る、マーケットニュートラル戦略を採るべきだと述べている。
- この戦略は、数十億ドル相当の資産の弁済によるBTCとBCHの需給力学に注目している。
シンガポールに拠点を置くPresto Labsは、顧客に対し、ビットコイン(BTC)の強さとビットコインキャッシュ(BCH)の弱さに賭けることを提案している。これは、現在進行中のマウントゴックス(Mt.Gox)の弁済から利益を得るためのマーケットニュートラルな取引だ。
先週、数億ドル相当のビットコインが市場に流通した。これは、2014年のハッキング事件で被害を受けた債権者への弁済を、マウントゴックスがようやく開始したためだ。今後数カ月で、7300万ドル(約116億8000万円、1ドル=160円換算)相当のビットコインキャッシュがトレーダーに弁済される予定だが、ビットコインは90億ドル(約1兆4400億円)相当だ。
「マウントゴックスの管財人は、2024年7月1日から10月31日までの間に、数十億ドル相当のBTCとBCHを配布する予定だ」と、Prestoの市場アナリスト、ピーター・チョン(Peter Chung) 氏が7月10日にCoinDeskに語った。「これにより、この4カ月間のBTCとBCHの需給関係に変化が生じ、ペア取引の機会が生まれる可能性がある」。
ペア取引とは、2つの金融資産を同時に売買し、それらの相対的な価格変動から利益を得る取引戦略だ。
「当社の分析によると、BCHに対する売り圧力がBTCの4倍になることが示されている。つまり、BTCの1日の取引高の6%に対して、BCHの1日の取引高の24%となる。BTCの長期先物とBCH の短期先物を組み合わせた取引は、資金調達率(ファンディングレート)のリスクを除けば、この見解を最も効率的に中立的に表す方法だ」とチョン氏は付け加えた。
CoinGeckoのデータによると、過去24時間で270億ドル(約4兆3200億円)以上のBTCが取引されたのに対し、BCHの取引額は1億8000万ドル(約288億円)にとどまった。
Prestoはさらに、ビットコインを初期段階から保有している投資家は「ダイヤモンドハンドを持つ裕福なビットコイン投資家」である可能性が高いと仮定し、そのため、資産を完全に売却するのではなく、そのまま保有する可能性が高いとしている。
しかし、「はるかに弱い投資家ベース」であるBCHは、近い将来に100%売却される可能性があるとPrestoは予想している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Long Bitcoin and Short Bitcoin Cash to Benefit From Mt. Gox Repayments: Trader