ステーキングされたイーサリアムが過去最高に──総供給量の約28%
  • イーサリアム供給量が増加する一方で、ステーキングされている量は過去最高に近い水準に達していることがCryptoQuantのデータから明らかになった。
  • ポリマーケットのベットに参加している人々は、7月26日までにアメリカでイーサリアム現物ETFが承認される可能性を90%と見ているが、取引が始まるまでにはまだいくつかの段階を経なければならない。

アメリカでイーサリアム(ETH)の現物ETF(上場投資信託)が現実味を帯びるにつれ、ステーキングされているイーサリアムは過去最高額に迫っており、ETHの総量が再び増加しているにもかかわらず、流通量は抑制されている。

「ステークされたETHの数は増え続けており、3330万ETH、つまり総供給量の27.7%という過去最高値に迫っている」と、CryptoQuantのリサーチ部門責任者であるジュリオ・モレノ(Julio Moreno)氏は、CoinDesk に共有したメモに書いている。

時価総額第2位の暗号資産(仮想通貨)の供給量が増えていることは、それがインフレ資産に戻ったことを意味し、長期的に価値を蓄える能力を失っていることを示している。 これを防ぐ方法としては、一定期間イーサリアムをロックするステークや、ユーザーが支払った取引手数料の一部を焼却する(永久に流通から取り除く)などがある。

(CryptoQuant)

「ETHの供給量は再び増加しているが、そのペースは緩やかだ。しかし、超健全マネーという物語は終わった。総供給量は2023年12月11日以来の高水準に達している」とモレノ氏は書いている。

(CryptoQuant)

また、モレノ氏は、スポット取引高のデータから、イーサリアムはビットコイン(BTC)と同等の流動性を持つ可能性があると指摘している。直近数週間のイーサリアムのスポット取引高は、ビットコインの80%~90%に達している。

一方、CoinMetricsのデータによると、イーサリアム供給量の約12% がスマートコントラクトやブロックチェーン間のブリッジで使用されていることが示されている。この量とトークンを担保に差し入れている量とを合わせると、ETHのおよそ40%が「ロック」され、活発に取引されていないことになる。

イーサリアム現物ETFへの道

イーサリアム現物ETF(上場投資信託)の発売競争が過熱しているようで、分散型予測市場のポリマーケット(Polymarket)のベットに参加している人々は、7月26日より前に取引が開始されると考えているようだ。

(Polymarket)

最近、インベスコ(Invesco)とギャラクシー(Galaxy)は、提案中のイーサリアム現物ETFの管理手数料を0.25%とすることを発表した。これはヴァンエク(VanEck)の0.20%よりも若干高い。

しかし、取引を開始するには、アメリカ証券取引委員会(SEC)が現在の申請についてフィードバックを提供し、発行者が手数料情報およびその他の必要事項を含む最終修正フォームを提出する必要がある。

カルシ(Kalshi)では、イーサリアムがビットコインを上回る確率は65%だが、95%の人がイーサリアムがビットコインよりも先に史上最高値を更新することはないと考えている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ethereum.org
|原文:Staked Ether Close to All-Time High as ETF Approval Nears