暗号資産市場は8月に回復。清算は7月末までに終わる:JPモルガン
  • JPモルガンの報告書によると、暗号資産市場は8月以降、回復が見込まれている。
  • 同行は、年初来の純資金流入予想を120億ドルから80億ドルに下方修正した。
  • マウントゴックスとジェミナイの債権者による清算、およびドイツ当局による売却により、先月、取引所全体のビットコイン準備高は減少した。

JPモルガン(JPMorgan)は7月10日の調査報告書で、暗号資産(仮想通貨)の清算は今月中に収まり、8月以降は市場が回復すると予想していると述べた。

同行は、年初来の暗号資産純流入額の予想を、従来の120億ドル(約1兆9200億円、1ドル=160円換算)から80億ドル(約1兆2800億円)に引き下げた。

ビットコイン(BTC)が生産コストやゴールド(金)価格に対して非常に高騰していることを考えると、120億ドルというこれまでの予測が今年いっぱい続くとは考えにくいと報告書は述べている。

「推定純流入額の減少は、主に過去1カ月間の取引所におけるビットコイン準備金の減少によるものだ」と、ニコラオス・パニギルツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストは書いている。

この準備金の減少は、ジェミナイ(Gemini)や倒産した暗号資産取引所マウントゴックス(Mt.Gox)の債権者によるビットコインの清算、あるいは犯罪行為から押収した暗号資産を売却しているドイツ当局による売却を反映している可能性が高いと同行は述べている。

JPモルガンが80億ドルと見積もりを引き下げたのは、7月9日までの暗号資産ファンドへの140億ドル(約2兆2400億円)の純流入、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物取引による50億ドル(約8000億円)の流入、今年に入ってからの暗号資産ベンチャーキャピタルファンドによる57億ドル(約9120億円)の資金調達を合計し、そこから取引所ウォレットからビットコイン現物ETF(上場投資信託)への資金移動を考慮した170億ドル(約2兆7200億円)の調整額を差し引いたものだ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Market Rebound Expected in August, Liquidations to Finish By July-End: JPMorgan