トランプ前米大統領が大統領選に勝利する確率は13日、暗号資産予測マーケットのポリマーケット(Polymarket)によると、ペンシルベニア州での集会で銃撃を受け負傷したことを受けて過去最高に跳ね上がった。
ニューヨーク・タイムズによると、シークレットサービスの広報担当者は、トランプ氏は「無事」だと述べている。同紙によると、容疑者は射殺され、観客1人が死亡した。
顔に血を流し、拳を突き上げるトランプ氏の写真や動画がSNSで拡散している。この2週間は現職のバイデン大統領の健康上の不安や失言に話題が集中していた。
Appears he’s ok; pumping his first here. My lord, this is crazy pic.twitter.com/N5Mp8Ible1
— @jason (@Jason) July 13, 2024
トランプ氏が大統領の座を奪い返すかどうかに関するPolymarketの賭けにおける「Yes」の価格は、事件後10セント上昇して、70セントとなっている。これは、市場が11月の選挙で同氏が勝利する確率を70%と考えていることを意味する。予測が的中した場合、賭け1口あたり1ドルが支払われる。外れた場合は、ゼロだ。賭けはポリゴン(Polygon)のスマートコントラクトにプログラムされており、ステーブルコインのUSDコイン(USDC)で決済される。
トランプ氏にちなんで名付けられた、いわゆる「PoliFi」コインも急騰した。例えば、CoinGeckoのデータによると、MAGAは24時間で34%上昇して8.38ドル付近。TREMPは67%上昇し、0.6471ドル付近。
一方、バイデン大統領にちなんで名付けられたBODENは、24時間で15%下落し、0.0333115ドル付近。
こうしたミームコインは今年、ある支持者が語ったように「選挙の事実上の賭け市場」となっている。予測市場とは異なり、PoliFiトークンは関連する候補者が当選しても保有者に何かが支払われるわけではない。
Mars Review of Booksのノア・クミン(Noah Kumin)氏が指摘しているように、この事件は、ソラナ(Solana)ブロックチェーン上のトークン作成サイトPump.funで、不謹慎なものを含む多くの新しいミームコインの誕生を触発した。「トランプの復活(Resurrection of Trump:ROT)」「ヒーロー・トランプ(Hero Trump:HERO)」は、比較的無害な例だ。
暗号資産市場全体を追うCoinDesk 20 Indexは、24時間で3.31%上昇。ビットコイン(BTC)は3.26%上昇し、5万9735ドル付近。
トランプ氏は選挙戦において暗号資産に対する全面的な支持を表明しており、今月、ナッシュビルで開催されるビットコイン・カンファレンスで講演を行う予定。また、共和党の綱領では、バイデン政権による業界への「取り締まり」を阻止すると述べている。
4年前にシェーン・コプラン(Shayne Coplan)氏が設立したポリマーケット(Polymarket)は今年、取引高が好調で、米大統領選挙を前に政治に関する賭けが盛り上がっている。大統領選に関する賭けには、すでに2億5200万ドル(約400億円、1ドル=160円換算)が投じられており、これは同社にとって、そしてすべての暗号資産ベースの予測市場、いや、すべての予測市場(暗号資産ベースでないものも含めて)にとっても記録的な数字だ。
PredictItは、賭けが法定通貨で行われる、より伝統的な賭けサイト。トランプ氏の賭け金は、事件前の59セントから66セントまで上昇し、その後65セント付近で推移している。
予測市場は、世論調査や有識者の発言よりも信頼性の高い世論の指標であり、優れた予測方法とされている。予測を行う人々が金銭的なリスクを負っているため、入念なリサーチを調査を行い、率直な意見を表明するためだ。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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