- ビットコインは、閉鎖された暗号資産取引所マウントゴックスのコイン再流通の動きにより3%下落した。
- オンチェーン調査会社は、今回のコインの動きは取引所の債権者への弁済計画の一環である可能性が高いと述べている。
7月16日、ビットコイン(BTC)は、閉鎖された暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックス(Mt.Gox)が債権者への返済の可能性を考慮し、コインの内部での移動を開始したことがブロックチェーンのデータで明らかになったことで、新たな売り圧力に直面した。
CoinDeskによると、アジア取引時間初めに6万5000ドルの大台を突破した後、時価総額でトップの暗号資産であるBTCは一時3%下落し、6万3000ドルを割り込んだ。
この下落は、マウントゴックスに関連するウォレットが、ブロックチェーンアドレス「1EoZd1QNCiN9JbnsqvLRDbHKLygAsXHg3V」に0.021 BTC(1000ドル、約16万円、1ドル=160円換算)を最初に移動させたことが原因だ。この少額の移動は、おそらく転送テストだったと思われ、その後、内部ウォレットでの4万4527BTC(28億4000万ドル、約4544億円)という大規模な移動があったと、アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)が追跡したデータによるとのことだ。
この動きは、オンチェーン調査会社のLookonchainによると、返済計画の一環だった可能性が高い。
Mt. Gox moved 44,527 $BTC(2.84B) to an internal wallet 5 minutes ago, which may be preparing for repayment.#MtGox currently holds 138,985 $BTC($8.87B).https://t.co/f2q66eQNuk pic.twitter.com/JlqkZdzkPC
— Lookonchain (@lookonchain) July 16, 2024
かつて世界最大のビットコイン取引所だったマウントゴックスは、ハッキングにより数十万ビットコインを失った後、2014年に倒産した。 同取引所は7月4日に債務返済を開始したが、10年間も弁済を待ち続けてきた債権者による大量売却の懸念が高まっている。
ビットコインの下落は幅広い暗号資産市場に影響を与え、時価総額が2番目に大きい暗号資産であるイーサリアム(ETH)は2.5%以上下落し、約3400ドルとなった。より幅広い市場を反映する指標であるCoinDesk 20指数(CD20)は2%以上下落し、2170となった。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Dips Below $63K As Mt. Gox Moves $2.8B BTC to Internal Wallets