ビットコイン、一時6万5000ドル超え──マウントゴックス弁済の懸念を一蹴、XRPが上昇をリード

ビットコイン(BTC)は7月16日、4週間ぶりの高値まで上昇。先週の安値からの反発は止まる気配がない。

ビットコインは6月後半以来となる6万5000ドル超えとなった。16日朝には、破綻した取引所マウントゴックスに関連するウォレットが28億ドル相当のビットコインを移動させ、今後数日間に弁済を行う準備をしていると予想されたことで、6万3000ドルを割っていた。

上昇は広範囲に及び、市場指標であるCoinDesk 20指数(CD20)は24時間で3%近く上昇し、20銘柄のうち16銘柄が上昇した。

主要アルトコインの中で最も好調だったのは、エックス・アール・ピー(XRP)で、16日は9%上昇し、週の上昇率は35%に達した。XRPの上昇は、価格上昇への確信の表れとして、クジラ(大口保有者)がその保有高を増やしているためと、暗号資産データプロバイダーのサンティメント(Santiment)は指摘した。

もう1つの要因は、デリバティブ取引大手のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)とベンチマーク指数大手のCFベンチマーク(CF Benchmarks)がXRPの指数と参照レートを発表したこと。これらは、XRPの機関投資家による採用を促進する可能性があるとブロックチェーン決済企業リップル(Ripple)のブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEOは述べている。

マウントゴックスの売り圧力は「過大評価」

ドイツによるビットコイン売却が終了したなか、投資家は、マウントゴックスの債権者に弁済される予定の90億ドル相当のビットコインのうち、どれくらいの額が売却されるかを考えている。

暗号資産分析会社CryptoQuantのCEO、キ・ユン・ジュ(Ki Young Ju)氏は、売り圧力に対する懸念は「過大評価」されており、今見られる上昇を妨げることはないだろうと述べた。

「弁済が強気トレンドを終わらせることはないと考えている。既存のビットコイン供給と同様に市場センチメントに反応すると予想されるためだ」と同氏はXに投稿した。

「ドイツ政府による売却とは異なり、マウントゴックスの債権者は売却を強制されていない。よって、純粋な売り手側の流動性ではない」

暗号資産およびマクロ経済アナリストのアレックス・クルーガー(Alex Krüger)氏は、ジュ氏によると、債権者が取り戻したビットコインを一斉に売却した場合、ビットコイン価格は最大で10%下落すると推定しているという。

CoinMetricsはまた、マウントゴックスの債権者が、ビットコインの現在の市場の深さ(デプス)と取引高に基づいて、資産を秩序正しく、数週間にわたって清算した場合、市場はそれを吸収できると述べた。

「最大6万5000ビットコイン(現在の価格で約19億5000万ドル相当)の分配は、清算が複数の取引所で段階的に行われた場合、深刻な混乱を引き起こすことなく、数週間で市場に吸収される可能性がある」とCoinMetricsのアナリストは16のレポートに記した。

「しかし、これらの結果はビットコイン市場の深さと成熟度を示すに過ぎない。だが、短期的な流動性不足の懸念を和らげるはずだ」

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Hits $65K Shaking Off Mt. Gox Payout Worries; XRP Leads Crypto Rally