ビットコイン、一時6万4000ドル割れ──米株式市場の下落が反発の重しに

暗号資産(仮想通貨)市場は17日、米国の取引時間中に米株式市場の下落が暗号資産市場の重しとなり、序盤の上昇分を失った。ビットコイン(BTC)は6万4000ドルを割った。

ビットコインは1時間あまりで2%下落。一時6万6000ドルを超えていたが、6万3890ドルまで下落した。 当記事執筆時点では6万4000ドル付近、24時間で0.5%下落。

ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、チェーンリンク(LINK)などの主要アルトコインも2~4%下落。暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20指数(CD20)は1.2%下落し、構成銘柄のほとんどがマイナスとなった。

(CoinDesk)

暗号資産市場の下落は、米国の主要株価指数も下落しているなかで起きた。テック銘柄の多いナスダックは2.7%下落、S&P500は1.3%下落。これらの指数の上昇に大きく貢献した半導体大根エヌビディアなどのテック大手銘柄は、今年後半の金利緩和を見越して投資家が小型株に資金を回すなか、ここ数日間苦戦を強いられている。17日、エヌビディアの株価は6.5%下落したが、年初来では145%上昇している。

LMAX Groupの市場ストラテジスト、ジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は、株式市場の売り圧力がより深刻な調整に発展した場合、暗号資産の上昇は失速する可能性があるが、より長い時間軸で見れば、株式市場からの逃避を図る投資家にとって避難場所となる可能性があると述べた。

「最近の動向で懸念されていることは、米株式市場の現状と、健全な調整に向け、まもなく大幅な弱気転換が起こる可能性についてだ」と同氏は17日のメモに記している。

「だが、そうした場合でも、安全資産への逃避としてビットコインを購入したいと考える理由は数多いだろう。また大規模なイノベーションの可能性を秘めた他の暗号資産を安値で拾いたいと考える理由も数多いだろう」

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Dips Below $64K as U.S. Equity Selloff Stalls Crypto Rebound