- 「暗号資産に好意的」かどうかだけで支持する候補者を決めることにヴィタリック・ブテリン氏が異を唱えた。
- 「政治家は、支持を得るためには暗号資産を支援しさえすればいいと考えるようになる」と同氏は警鐘を鳴らす。
イーサリアム（ETH）の共同発明者であるヴィタリック・ブテリン（Vitalik Buterin）氏は、他の著名な暗号資産（仮想通貨）業界の大物たちがドナルド・トランプ（Donald Trump）氏の米大統領選出馬を声高に支持するのに対して、ただ単に 「暗号資産に好意的 」であるかどうかで候補者を支持することには反対だと主張した。
「『暗号資産に好意的』な候補者が、単に『暗号資産に好意的』だからというだけで支持される印象を公に与えることで、政治家は支持を得るためには暗号資産を支援しさえすればいいと考えるようになる動機形成の手助けをしている」と同氏は現地時間7月17日に自身のブログに投稿した。
「暗号資産業界では、ほとんど政党や候補者が『暗号資産』に寛大で好意的であるかどうかだけで、政治に対してより積極的になったり、支持したりする動きが強まっている」とブテリン氏は付け加えた。「今回の投稿で私はこの潮流に反対し、特に、こうしたやり方での意思決定は、そもそも暗号資産業界にあなた自身を導いてきた価値観に反する高いリスクを伴うと声を大にして伝えたい。」
広くイーサリアムの知的指導者として目されているブテリン氏のコメントは、他の有名な暗号資産関係者の強烈な親トランプの物言いと対照的である。
有利なビジネス環境を達成したい暗号資産業界の動き
暗号資産情報プラットフォームであるメッサーリ（Messari）の共同設立者ライアン・セルキス（Ryan Selkis）氏は特に、「一つの論点のみで投票先を決める」、つまりトランプ氏が暗号資産を好きだと言うので、現職のジョー・バイデン（Joe Biden）氏よりもトランプ氏を選ぶ、と言ってはばからない。トランプ氏は最近のマール・ア・ラーゴ（Mar-a-Lago）の会において自身のNFTコレクションを宣伝し、新たに明らかとなったデジタル資産に対する好意的な態度について語ったが、セルキス氏もそこに出席していた。
米国を拠点とする大手暗号資産取引所コインベース（Coinbase）は今年、フェアシェイク政治活動委員会（Fairshake PAC）を設立し、政治献金において大きな力を持つようになった。暗号資産業界は現在、選挙を左右する最大の資金源のひとつとなっており、すでに戦果を挙げている。米国を暗号資産ビジネスが活動しやすい場所にする政治家を選ぶことが、その活動の核心となっている。
セルキス氏はX（旧ツイッター）で、今回の投稿についてブテリン氏を非難している。「私はヴィタリックを尊敬しているが、彼は常に暗号資産の世界で最もナイーブで役に立たない政治評論家の一人だ。理想主義は現実主義ではないし、彼の物言いは、我々が文化的な癌やマルクス主義の蔓延に対して何も考えていないかのようだ。彼は間違っている。」
｜翻訳・編集：T.Minamoto
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｜原文：Vitalik Buterin, as Other Crypto Leaders Line Up Behind Trump, Argues Against Picking Candidates Just Because They Like Crypto
