TradFi大手ステート・ストリート、ステーブルコインとトークン化された預金の発行を検討中:ブルームバーグ

ボストンを拠点とする資産運用・銀行大手のステート・ストリート(State Street)は、ブロックチェーン上で送金を決済するためのステーブルコインとトークン化された預金の発行を検討している。ブルームバーグ(Bloomberg)が17日に関係者の話として報じた。

報道によると、同銀行は「デジタル・現金コンソーシアムの取り組み」への参加も検討しており、ステート・ストリートが投資しているフィンテック企業Fnality Internationalを通じた「決済オプションを検討」しているという。

今回の報道は、ステート・ストリートがデジタル資産分野で存在感を高めている中で出たものだ。CoinDeskは6月下旬に規制当局への提出書類に基づき、ステート・ストリートの投資管理部門であるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(State Street Global Advisors)も、暗号資産(仮想通貨)投資会社ギャラクシー(Galaxy)と暗号資産取引商品の開発契約を結んだと報じていた。The Informationは先月初め、ステート・ストリートがチームを解雇してからわずか6か月でデジタル資産部門を再構築しており、暗号資産カストディサービスを提供する計画があると報じた。

伝統的金融(TradFi)の大手企業は、債券やファンド、クレジットをブロックチェーン上に配置することで、伝統的な金融資産、つまり現実資産(RWA)のトークン化にますます関与するようになっている。こうした企業は、効率性の向上、より迅速で24時間体制の決済、管理コストの削減などの運用上のメリットを得ることを目指してこうした取り組みを行っている。ステーブルコインは、外部の資産に価格がペッグ(固定)されたブロックチェーンベースの暗号資産だ。ほとんどのステーブルコインは米ドルにペッグされており、現金をトークン化したものとして広く使用されている。

現在最大の現物ビットコインETF(上場投資信託)を提供している資産運用大手のブラックロック(BlackRock,)は、いくつかの分散型金融(DeFi)プロトコルの基盤となっているイーサリアムネットワーク上で、同社初のトークン化されたマネーマーケットファンドを導入した。グローバル銀行のJPモルガン(JPMorgan)は、米ドルのプライベートデジタルバージョンであるJPMコインが利用されるプライベートブロックチェーンOnyxを開発した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:TradFi Giant State Street Mulls Creating Stablecoin, Tokenized Deposits: Bloomberg