インドの暗号資産取引所がハッキング被害、柴犬コインが大きく下落
  • インドの取引所WazirXのネイティブトークンWRXは、ドル建てで15%値下がりした。
  • SHIBは、攻撃者がWazirXから1億ドル相当のトークンを流出させて以来、6%下落している。
  • 市場をリードするビットコインやテザーを含むほとんどのコインは、WazirXで大幅な割引価格で取引されている。

インドの暗号資産(仮想通貨)取引所WazirXで7月18日未明に発生した悪意のある攻撃で、多くの暗号資産とプラットフォームのネイティブトークンが盗まれて取引所の準備金の約50%が流出し、市場価値が大幅に下落している。

同取引所は、出金を一時的に停止している。

Coingeckoのデータによると、WazirXのWRXは14セント強で15%安で取引されている。ルピー建て価格は、攻撃者が柴犬コイン(SHIB)1億ドル(約155億円、1ドル=155円換算)分を含む顧客の資産2億3000万ドル(約356億円)分を奪ったことが確認されてから25%以上下落している。攻撃者はイーサリアム(ETH)5200万ドル(約80億6000万円)分、ポリゴン(MATIC)1100万ドル(17億500万円)分、ぺぺコイン(PEPE)600万ドル(約9億3000万円)分も奪った。

ハッカーがコインを売却しているという報道もあり、SHIBは米ドル建てで6%以上の時価総額を失い、ルピー建てでは16%以上も下落している。ブロックチェーンのデータでも、攻撃者がSHIBを売却して下落圧力となっていることが示唆されている。

その他のトークンはドル建てでは比較的安定している一方、取引所のインドルピー(INR)とのペアは大幅な下落を見せている。

特に注目すべきは、ビットコインとルピー(BTC/INR)のペアが11%下落し、510万ルピー(6万945ドル)となったことだ。これは、競合する取引所であるCoinDCXでの価格よりも大幅に安い水準だ。CoinDCXでは、ビットコインが570万ルピーで取引されていた。BTCのドル建て世界平均価格は、この日の取引で1%上昇し、6万1800ドルとなった。CoinDesk Indicesのデータによると、時価総額最大の暗号資産は約6万4900ドルで取引されている。

WazirXでは、暗号資産が大幅な割引価格で取引されている。(WazirX)

一方、WazirXのテザーとルピーのペア(USDT/INR)は8%下落した。

WazirXでのBTC、USDT、その他の暗号資産の価格下落は、おそらく、ハッキングを受けての投資家のパニック売りや法定通貨への駆け込み需要を反映したものと思われる。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Indian Crypto Exchange Hack Sends SHIB, WRX Tumbling as Bitcoin, Tether Trade at Massive Discount