自民党デジタル社会推進本部web3プロジェクトチーム(web3PT)の座長を務める平将明議員が、会員証「タイラくんSBT第二弾」の配付記念イベントとして、Astar Networkのファンダーである渡辺創太氏を招いて、「web3の現在位置と未来」をテーマに対談を行った。
対談の様子は、平氏のYouTube公式チャンネルで公開されている。
動画は約35分、Web3の現状、マスアダプションに向けた課題、そしてそれをどう乗り越えていくかなど、日本のWeb3政策の旗振り役といえる平氏と、日本、アジア、そしてグローバルでのビジネス拡大を目指す渡辺氏が示唆に富んだやりとりを繰り広げている。
ここではその一部をダイジェストで紹介する。なお、進行役はN.Avenue代表取締役CEOの神本侑季が務めた。
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冒頭で渡辺氏は、Web3の現在の状況について、「(世界の)人口の約3%がアドレスを持ち、Web3を使っている状態」と述べた。これはインターネットと比較すると、1999年や2000年の状況でまだまだアーリーステージだと整理し、マスアダプションには、ディストリビューション(流通)が重要になると指摘。
インターネット黎明期の当時、マイクロソフトがブラウザのインターネットエクスプローラー(Internet Explorer)をPCにプリインストールして一気にシェアを獲得した事例を紹介した。
平氏は、4月に発表したweb3ホワイトペーパーに触れ、アメリカで人気を集めているビットコインETF(上場投資信託)に日本でどう対処していくか、個人や法人の税制改正の問題、さらには監査の問題などに取り組んでいることをあげた。
さらに平氏は、web3マスアダプションには「大企業の動きが重要」であり、web3PTとホワイトペーパーのメリットは「大企業で稟議書が通りやすくなること」と述べた。
その他、渡辺氏が想定するWeb3のユースケース、「タイラくんSBT第二弾」の紹介、SBTの選挙への活用の可能性、外国での選挙支援の活用などが話題にのぼった。
また平氏は、「日本の体験価値、アナログの価値をデジタル(NFT)を使ってグローバル価格にしたい」と語り、企業のデジタル化の取り組みはこれまでコスト削減に注力してきたが、今後は、売上、すなわち単価をデジタルで拡大させることが重要になり、それができれば「日本は圧倒的に強くなる」と述べた。
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対談の後半には、以前、伊藤穰一氏がアドリブで書いたというWeb2.0とWeb3の比較図も登場。日本の強み、どこで、どう戦うべきかという議論も展開された。
Web3を取り巻くさまざまなテーマにわたって、刺激的な議論が展開された対談。ぜひ、動画をチェックしてほしい。
|文:増田隆幸
|撮影:CoinDesk JAPAN編集部
※編集部より:タイトルに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。