ビットコイン、一時6万8000ドル超え──バイデン氏の撤退で強気派に勢い
  • ビットコインは7月22日、アメリカの大統領選挙の状況が変化したことを受け、一時6万8000ドルを上回る水準まで急騰したが、6万7200ドル付近で落ち着いた。
  • CoinDesk20指数に代表される広義の暗号資産市場は1.25%上昇した。
  • バイデン大統領が出馬しないことを発表したことで、一部のトレーダーの間では、選挙結果に関わらず、暗号資産業界にとって有利になる可能性があると考えられるようになった。

ビットコイン(BTC)は7月22日のアジア時間開始時に6万8000ドルを突破した後、6万7200ドル付近まで下落した。これは、アメリカ大統領選挙の見通しを背景に、トレーダーの間で強気な見方が広がったことが主な要因だ。

BTCの高騰を追い風に主要通貨も上昇した。イーサリアム(ETH)が一時3500ドルを突破し、カルダノ(ADA)とソラナ(SOL)は最大5%上昇、ドージコイン(DOGE)は8%以上上昇した後、上げ幅を縮小した。

ステーブルコインを除く時価総額の大きなトークン暗号資産(仮想通貨)を追跡する流動性指数のCoinDesk20指数(CD20)は1.25%上昇した。

BTCの上昇は、現職のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領がXで11月の大統領選挙には出馬しないと述べた日曜日の深夜に始まった。これにより、分散型予測市場のポリマーケット(Polymarket)では、共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の勝利の確率が71%から65%に低下した一方、現職副大統領カマラ・ハリス(Kamala Harris)氏の勝算は16%から30%に上昇した。

「バイデン氏の撤退により、11月以降、誰がホワイトハウスに行くのかにかかわらず、アメリカ政府が暗号資産業界に対してより建設的な姿勢を取る道が開けた」とシンガポールを拠点とする暗号通貨調査会社Prestoは22日のCoinDeskへのメモで述べた。

「ハリス氏や他の候補者がそのような道筋を歩むかどうかは未知数だが、以前はほとんど存在しなかったオプションが今そこにある」とPrestoは付け加えた。

トランプ前大統領は暗号資産に好意的な見解を示していることで、ここ数カ月、業界関係者の間で大きな支持を集めている。今週後半にナッシュビルで開催されるビットコイン2024カンファレンスにトランプ氏が出席する予定であり、この動きは市場関係者の期待感を一層高めている。

「トランプ大統領の主要な経済政策は低金利と借入コストの引き下げとなるため、市場はさらに上昇すると予想されます。これにより、BTCを含むすべてのリスク資産が確実に上昇するだろう」と暗号資産ファンドMetalphaのシニアトレーダーであるルーシー・フー(Lucy Hu)氏はテレグラムのメッセージで述べた。

「中長期的には、BTCは引き続き上昇を続けると予想される」とフー氏は付け加えている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Briefly Tops $68K as Biden Dropout Riles Up Crypto Bulls