- ウィンターミュートとカイコは、イーサリアム現物ETFに対する初期の需要は予想を下回る可能性があると予測している。
- ウィンターミュートは、今後1年間の流入額について、ビットコインETFの6か月間の流入額より約62%少ないと見ている。
知名度のある暗号資産会社2社は、イーサリアム現物ETFの発売が比較的控えめなものになると見ている。
大手マーケットメーカーであるウィンターミュート(Wintermute)は、今後1年間のイーサリアムETFへの流入額は最大で40億ドル(約6400億円、1ドル160円換算)になると見ている。これは、ほとんどのアナリストが予想する45億ドルから65億ドルよりも低い。多い方の65億ドルでも、ビットコインETFが6か月前にアメリカで発売されて以来の流入額である170億ドルよりすでに約62%少ない。
しかしウィンターミュートは、こうした流入によってイーサリアムの価格が今後12か月で24%上昇すると見ている。
ステーキングがないため競争力は低下
ETFは22日の夜に規制当局の最終承認を得たため、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、グレイスケール(Grayscale)、ヴァンエク(VanEck)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)、ビットワイズ(Bitwise)、21シェアーズ(21Shares)、インベスコ(Invesco)などの発行企業がファンドの提供を開始し、23日に取引を開始できる。
アメリカの規制当局は、イーサリアムETFが保有する暗号資産をステーキングできるようにするという発行企業からの要請に難色を示した。ステーキングにより、投資家に分配できる収益が生み出されるはずだった。ウィンターミュートはレポートで、「この損失によって、投資家がステーキングから利益を得ることができる直接保有と比較して、イーサリアムETFの競争力が低下する」と述べた。
調査会社カイコ(Kaiko)も、イーサリアム関連商品が発売された前例に基づいて同様の見通しを示している。
カイコのインデックス責任者であるウィル・カイ(Will Cai)氏はレポートで、「昨年末にアメリカで先物ベースのイーサリアムETFが発売されたが、需要は期待外れだった」とし、「急速な資産蓄積への期待が高まり、現物ETFの発売に注目が集まっている」と述べた。
イーサリアムのボラティリティは急上昇
カイ氏は、長期的なトレンドにかかわらず、イーサリアムの価格は取引開始初日の流入額に「敏感」になる可能性が高いと述べた。
カイコが追跡したデータによると、イーサリアムのボラティリティは週末に急上昇し、満期日(7月26日)に最も近い契約は59%から67%に跳ね上がった。
レポートは、「これは、イーサリアムの発売に対する確信度が低いことを示唆しており、トレーダーらはリスクヘッジにより高いプレミアムを支払う用意があるということだ」と述べた。
発行企業は先週の提出書類で予想される管理手数料を明らかにし、最終的な規制当局の承認を得るための最後のハードルの一つをクリアした。グレイスケールのイーサリアム・トラスト(Ethereum Trust)は投資家に2.5%の手数料を請求することを目指しているが、他のほとんどの運用会社は手数料を0.15%から0.25%の範囲に抑えている。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Ethereum ETFs Could See Underwhelming Demand, Two Research Firms Predict