イーサリアムETF、初日午前中の取引高は6億ドル──ビットコインETFの約20%

23日にアメリカでスタートした8つのイーサリアム(ETH)現物ETF(上場投資信託)はブルームバーグのデータによると、初日の午前中だけで約6億ドル(約940億円、1ドル156円換算)相当の取引高を記録した。

トップは、グレイスケールのEthereum Trust(ETHE)で、東部標準時12時30分までに2億5000万ドル相当が取引された。2位は、ブラックロックのiShares Ethereum Trust(ETHA)で、約1億3000万ドル。その他、フィデリティのAdvantage Ether ETFは約7700万ドル、ビットワイズのEthereum ETF は約6600万ドル。

「ETHEの取引高の大半は流出と推測される」とブルームバーグ・インテリジェンスのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏はXに投稿した。グレイスケールのETHEは、同社のBitcoin Trust(GBTC)と同様に、運用資産残高90億ドル以上を抱えてレースに参入。そのため、取引高の大半は流出ではないかとの見方が浮上した。

インベスコと21シェアーズは下位に沈んだ。両社のイーサリアムETFは、取引開始から4時間が経過した時点で、1000万ドルに達していない。

このペースでの取引が続けば、イーサリアムETFの取引高は取引初日に約9億4000万ドルに達する見込みと、ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏は述べている。この数字は、ビットコイン(BTC)ETFの初日の取引高の20%強に相当する。

低い資金調達率、機関投資家の関心を損なうか

アナリストらは、イーサリアムETFの需要は、知名度の低さ、購入時に暗号資産を担保にできないことなど、いくつかの理由からビットコインETFの需要の最大20%にとどまると予測している。

10x Researchの創設者、マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏によると、もうひとつの要因はイーサリアムの資金調達率の低さだ。ビットコインの資金調達率は、1月のETFスタート時には約15%、2月には70%まで上昇したという。

「これにより、多くの機関投資家がアービトラージ(裁定取引)ファンドを作り、ETFを購入し、先物を空売りすることでスプレッドを稼ぐようになった」「我々が指摘したように、機関投資家の購入が自己強化的なプロセスで強気センチメントを後押しした」

ティールン氏によると、イーサリアムの現在の資金調達率は7%〜9%と大幅に低く、特に現在の金利が5%であることを考えると、機関投資家がアービトラージ投資に利用するには低すぎるだろう。

「2月のビットコインETFへの資金流入とは対照的に、イーサリアムETFの資金流入は、ポジティブなセンチメントを後押しするアービトラージ取引への資金流入を引き起こさない可能性が高い」とティールン氏は記している。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:Spot Ether ETFs See $600M in Volume In First Half Day of Trading