ステーブルコインの裏付け資産をブラックロックのRWAトークン化ファンドに投資──高利回りを狙うEthena
  • Ethena(エセナ)は、USDTで保有する2億3500万ドル相当の担保の一部と4500万ドルの余剰準備金をRWAトークン化ファンドに投資し、利回りを得る計画を発表した。
  • 資産運用大手ブラックロック(BlackRock)のファンド「BUIDL」は、3400万ドルの割り当てを求めている。

今年登場すると短期間で34億ドル(約5300億円、1ドル156円換算)を集めた利回り付き合成ドル(ステーブルコインの一種)「USDe」の基盤プロトコルであるEthena(エセナ)は、準備金の一部をトークン化RWAに投資する計画を立てている。資産運用大手ブラックロック(Blackrock)のファンド「BUIDL」は、この計画に真っ先に手をあげた候補プロジェクトのひとつだ。

合成ドルとは、米ドルを含まない米ドル連動型ステーブルコインのこと。米ドルの代わりに、現物資産とデジタル資産のバスケットに裏付けられ、米ドルとの連動を維持するアルゴリズムによって管理される。アルゴリズム型ステーブルコインとも呼ばれる。

Ethenaは、7月16日に行われたガバナンス投稿で、保有高2億3500万ドルにのぼるUSDTの一部(担保資産の約7%)と約4500万ドルの余剰準備金「Reserve Fund」をRWAプロダクトに割り当て、利回りを獲得する計画を発表した。Ethenaのトークンは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を購入し、同時にそれらの永久スワップを売却(空売り)することで、投資家に利回りを提供する。

イーサリアムベースのマネー・マーケット・ファンド(MMF)であるブラックロックのBUIDLは、トークン化プラットフォームのセキュリタイズ(Securitize)のジョナサン・エスピノサ(Jonathan Espinosa)氏が23日に投稿した記事によると、Ethereaの4500万ドルの準備金から3400万ドルの割り当てを求めている。他にも複数社が資金の預かりを狙っている。

プロトコルを開発したEthena Labsの創設者、であるガイ・ヤング氏(Guy Young)は、応募予定者は全員、ガバナンスフォーラムに提案を公開する必要があるとメールで述べている。

Ethenaのオープンコンペは、トークン化RWAが暗号資産ネイティブのDeFi(分散型金融)の世界でますます活用されるようになっていることを示している。最近では、DeFiレンディングを手がけるMakerDAOが、ステーブルコイン「DAI」の裏付け資産10億ドルをトークン化された米国債に投資する計画を発表した。

一方、イーサリアムブロックチェーンのレイヤー2であるアービトラム(Arbitrum)のエコシステム開発組織であるArbitrumDAOは、3500万アービトラム(ARB)相当をトークン化された金融商品に割り当てる同様のコンテストを予定している。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Jim Henderson, modified by CoinDesk
|原文:BlackRock’s $500M Tokenized Fund Pitches for Ethena’s RWA Investment Plan