イーサリアムETF:4つの注目ポイント

イーサリアム(ETH)に連動するETF(上場投資信託)は、7月23日に取引がスタートしたこのデビューは、新たな市場の「ストーリー」を求めるトレーダーから大いに期待されている。

しかし、正確な影響を予測するのは難しい。以下が注目すべき4つのポイントだ。

価格への影響は?

イーサリアムETFは原資産の価格にどう影響するのか? ビットコイン(BTC)価格への影響は? 他の暗号資産(仮想通貨)はどうだろうか?

1月にビットコインETFが米国で取引を開始して以来、ビットコインは56%、イーサリアムは38%上昇した。

イーサリアムETFからも同じような価格ショックを期待できるだろうか? イーサリアム価格は上がるのか? ビットコインも上がるのか? 他の暗号資産も追随するだろうか?

普及は広がるのか?

イーサリアムETFの取引が開始されれば、より伝統的なタイプの投資家がイーサリアムへの価格エクスポージャーを得るかもしれないが、彼らの資金投入はイーサリアムネットワークの普及に拍車をかけることになるだろうか?

ETFは伝統的な投資家の目から見て、間違いなく資産に正当性をもたらすだろう。しかし、ファイナンシャルアドバイザーが顧客のためにIRA(個人退職勘定)でイーサリアムETFを購入することと、最終的にそのアドバイザーがイーサリアムをステーキングしたり、最新のミームコインを購入することの間に、直線(あるいは曲線)的なつながりが生まれるだろうか?

私はその可能性はあると思うが、話を聞くところによれば、人々はまず価格を気にし、次に価格を気にし、3番目にも価格を気にするため、私はその可能性に賭けることはしない。

SECは?

私は、暗号資産がETFに使われるだろうと予測していた。SEC(米証券取引委員会)は常に暗号資産を「証券」と考えており、証券で埋め尽くされたETFはたくさんあるからだ。それでも、SECは暗号資産に対して全面的にケンカ腰の姿勢を見せてきた。イーサリアムETFでそれは変わるだろうか?

イーサリアムにフォーカスした開発会社コンセンシス(Consensys)が、SECはマージ(Merge)後のイーサリアムが証券かどうかを捜査していると主張して4月にSECを訴えた後、SECは未登録の証券仲介サービスを提供していたとしてコンセンサスを提訴していたが、つい最近、SECはコンセンシスに対する訴訟を取り下げた。

ということは、SECは口出しすることを止めるようになるかもしれない。あるいは逆に、ETFによってイーサリアムが実際に証券であることがさらに明確になり、SECが締め付けを強めるかもしれない。

イーサリアムETFの投資家層は?

一般的に言うと、イーサリアムのファンはビットコインのファンよりも暗号資産多神教徒であり、「マルチチェーンの未来」を支持している。そのため、ビットコインETFとイーサリアムETFの投資家層には重なるところもあると思われるが、平均的なイーサリアムETF投資家がどんな人たちになるかはよく分からない。

ファミリーオフィスやヘッジファンドが非対称的な利益を求めてくるのだろうか? インフレに対抗しようとする昔からのファイナンシャルアドバイザー? 投機的な25歳の若者たちが、若いうちに早期退職して世界を旅するために、莫大な利益を得ようとするのか?

個人投資家はコインベース(Coinbase)やロビンフッド(Robinhood)でイーサリアムを保有することに夢中になる一方で、イーサリアムETFは機関投資家のものになるのだろうか?

また、発行者側では、誰が先頭に立つのだろうか? ブラックロック(BlackRock)がイーサリアムETFでも資金流入のリーダーとして君臨するのだろうか?

おそらくそうなるだろう。そしてそれが悪いことなのか良いことなのかは、いずれ明らかになる。

|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏(Margaux Nijkerk)
|原文:ETH ETFs: What We’re Watching For