- コインベース・アセット・マネジメントは、トークン化されたマネー・マーケット・ファンド(MMF)の立ち上げを計画。
- 現実資産(RWA)のトークン化は、暗号資産で特に注目されている分野。ブラックロックのトークン化された米国債ファンド「BUIDL」は、今年すでに5億ドルの資産を獲得した。
米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の資産運用部門である「コインベース・アセット・マネジメント(Coinbase Asset Management)」は、トークン化されたMMFを立ち上げ、金融業界で最も注目されている分野の1つである暗号資産の活用に参入する計画。この計画に詳しい4人の関係者が語った。
トークン化、つまり現実資産の所有権をブロックチェーンベースの商品で表すことは、最近の暗号資産業界の大きなトレンドの1つになっている。世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)は、米国債を保有するファンド「BUIDL」を導入。このファンドは3月の導入後、すぐに5億ドル(775億円、1ドル155円換算)の資産を獲得した。
投資家にとって、トークン化されたファンドは、ブロックチェーンに紐づけられた資産によってもたらされる透明性や、流動性の向上の可能性など、多くの潜在的な利益を提供する。発行者にとっては、効率性が向上する。
特にコインベース・アセット・マネジメントは、トークン化の分野へ参入しようとする試みがすでに公になっており、これが拡大することになる。同社は昨年12月、アブダビの規制当局から、同社のイーサリアム・スケーリングネットワーク「Base」上で伝統的な資産のトークン化を開始する基本的な承認を得た。
この件に詳しい2人の関係者によると、同社はバミューダに拠点を置く金融サービスプロバイダーのApexグループと連携し、トークン化されたファンドの促進を支援。Apexは、保管、管理、預託、運用ファンドで3兆ドル(465兆円)以上を資産を取り扱っている。
2023年3月、コインベースは米デジタル資産運用会社のワンリバー・デジタルアセット・マネジメント(One River Digital Asset Management)を買収。これによりコインベース・アセット・マネジメントが設立された。
コインベースはコメントを控えた。Apexも本記事公開時点でコメントしていない。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Robert Nickelsberg/Getty Image
|原文:Coinbase Asset Management Plans Tokenized Money-Market Fund, a Hot Area After BlackRock’s BUIDL Success: Sources