- 強気のトレンドライン付近は、2019~20年に買い貯めゾーンとして機能した。
- MACDは、下降トレンドの弱まりを示唆している。
イーサリアム(ETH)の対ビットコイン(BTC)価格、つまりETH/BTCレシオは、2016年と2017年の安値を起点とする強気のトレンドラインに接近しており、イーサリアム強気派に希望を与えている。
1月以来、このトレンドラインは2019~20年を彷彿とさせるパターンで一貫して下落を抑えてきた。当時は買い貯めゾーンとして機能し、最終的には2021年前半に新たな強気相場につながった。
トレンドの強さと変化を測るために使用されるテクニカル指標であるMACDのヒストグラムの月足チャートは、トレンドラインの防衛の継続とそこからの新たな上昇が起きる可能性があることを示している。2023年12月以降、ヒストグラムでゼロラインの下に形成されるバーは浅くなっており、下降トレンドの弱まりを示している。
しかし、熟練のトレーダーらは、今後数カ月でイーサリアムがビットコインのパフォーマンスを上回るとは考えていない。これは、暗号資産デリバティブ取引所デリビット(Deribit)のオプション市場の状況から明らかだ。デリビットでは、今後6カ月で満期を迎えるイーサリアムのコールオプション(強気の賭け)がプットオプション(弱気の賭け)と比べて5.5%のプレミアムで取引されている。アンバーデータ(Amberdata)によると、ビットコインオプションではコールプレミアムがわずかに高くなっており、トレーダーがビットコインに対して非常に強気であることを示している。
ビットコインへの偏りが続いているのは、23日にアメリカで発売されたイーサリアム現物ETFに対する需要がビットコインETFに対するものよりも弱いのではないかという懸念と、イーサリアムブロックチェーンのネットワーク活動が低調であることが原因だ。
デルタ・エクスチェンジ(Delta Exchange)のCEO兼共同創設者であるパンカジ・バラニ(Pankaj Balani)氏は電子メールで、「ETH/BTC価格は5月の発表以来下落傾向にあるため、市場はすでにこのニュースを織り込んでいる」と指摘。「市場は、今年生じたビットコインETFへの流入額と比較して、イーサリアムETFへの流入額は少なくなると予想している。イーサリアムネットワークのレイヤー1のガス料金が年間最低水準にとどまり、活動がイーサリアムネットワークのレイヤー2とソラナネットワークに移行しているため、イーサリアムの今年のパフォーマンスはビットコインを下回っている」と説明した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:WOKANDAPIX/Pixabay
|原文:Ether’s BTC-Denominated Price Flirts With 9-Year-Long Trendline Support: Technical Analysis