- 「かぼす」の飼い主がXで新しい柴犬の「ねいろ」をお披露目したことで、ソラナ(Solana)上では多数のNEIROトークンが登場した。
- なかでも2つのNEIROトークンが台頭し、最も人気のあるNEIROトークンは当初1億ドルの時価総額を集めたが、コミュニティ内でどちらが実際のNEIROトークンか議論されるようになり、その後、下落した。
- 激しい取引によって、ソラナのオンチェーン取引高はイーサリアムを上回り、NEIROのデプロイヤー(トークンをオンチェーンに展開する人)は540万ドルの利益を得た。
- 「ねいろ」の飼い主は一連の騒動から距離を置き、「トークン詐欺 」に注意するようユーザーに警告している。
「かぼす」の元飼い主は、7月28日にXで新しいペットの柴犬「ねいろ」をお披露目したとき、何が待ち受けているか知る由もなかった。
「かぼす」は、その写真がミームコインのドージコイン(DOGE)を、そしてその後、柴犬コイン(SHIB)、フロキ(FLOKI)などを含む370億ドル(約5兆5500億円、1ドル150円換算)規模の犬をテーマにしたミームコインセクターを生み出すきっかけとなった柴犬だ。「かぼす」は5月下旬に17歳で他界し、銅像と多くのミームコインを後に残した。
その後、「かぼす」の飼い主の@Kabosumamaは10歳の柴犬「ねいろ」を迎え、先日、「新しい家族」として紹介した。
次の「ドージコイン」をめぐる競争
この発表に対する初期のリプライは、新しいペットを歓迎するものばかりだったが、すぐに「ねいろ」の好感度を利用してソラナでトークンを立ち上げる人々が現れ、宣伝合戦と化した。
New DOGE in town bros, i yolo’d $NEIRO https://t.co/oahTcDznyp pic.twitter.com/ze02UlKtKC
— jz (@jzszn) 2024年7月27日
新しいDOGEの登場。$NEIROを衝動買い。
「ねいろ」をテーマにした何百ものトークンがソラナ上のトークンジェネレーター「Pump Fun」で発行され、あるトークンは瞬く間に時価総額が数千万ドルに達した。
その後、一部のトレーダーは、時価総額1億ドルのトークンが最も人気がある一方で、実は別のトークンが最初に存在していたことを発見。ダイナミクスは変化して短期間で急落した。
トレーダーはすぐに両方のトークンに資金を割り当てたり、取引したりするようになり、その結果、「ねいろ」をモチーフにしたに2つのソラナトークンは、累積取引高3億4000万ドルを記録した。
this is insanity lmao pic.twitter.com/BSejJbtVWq
— joji (@metaversejoji) 2024年7月28日
これは狂気の沙汰だ
活況のソラナ
このような取引は、29日にソラナをブロックチェーンの最前線に押し上げ、オンチェーン取引高は通常首位を占めるイーサリアムを上回った。
DefiLlamaのデータによると、ソラナは28日と29日にそれぞれ18億ドルの取引高を記録。一方、イーサリアムは10億ドル以下だった。
そして、より人気があるとみなされたNEIROの上昇は、少なくとも540万ドルの利益をデプロイヤーにもたらしたと、オンチェーン分析ツールのBubblemapsはXに投稿した。
デプロイヤーは、トークンが公開された直後に複数のウォレットを使って初期供給量の大部分を買い占め、人気が広まるにつれて売却していった。
UPDATE: dev actually sold for $5.7M ⚠️
— Bubblemaps (@bubblemaps) 2024年7月28日
All the addresses below are connected to the deployer of $NEIRO https://t.co/wIVU7eC3WG pic.twitter.com/rKJGhrvnC4
アップデート:開発者は実際には570万ドルで売却していた ⚠️
以下のアドレスはすべて、$NEIROのデプロイヤーとつながっている。
$NEIROの開発者はまだ供給量の6%を保持している🚨
彼は7qCVapPだけでなく複数のアドレスから購入し、現在大量の$NEIROを10個のウォレットに保有している。
– 確定損益:330万ドル
– 評価損益:400万ドル
Ansem(暗号資産界の著名インフルエンサー)のおかげで彼は引退できる👀
2つのNEIROトークンは、30日も活発に取引され、取引所に上場されている。各コミュニティは自らが本物だと主張し、ドージコインの成功を再現することを目指している。
詐欺トークンに注意
しかし、「ねいろ」の飼い主である@Kabosumamaにとっては、どのトークンも正当なものではない。
「『かぼす』と『ねいろ』に関連する多くのトークンを目にします。はっきりさせておきますが、私は@ownthedoge($dog)以外の暗号資産プロジェクトは支持していません。なぜなら、彼らはオリジナルのドージの写真とIPを所有しているからです(私が提供しました)。彼らは日々良いことだけを行い、慈善活動とドージ文化に専念しています」と、「ねいろ」の飼い主は説明。
「トークン詐欺には気をつけてください」と忠告した。
|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:ドージコインのモチーフとなった「かぼす」(Atsuko Sato)
|原文:Dogecoin Pup Owner’s New Shiba Inu Ends Up in NEIRO Memecoin Drama