イーサリアム現物ETFは純流入、取引開始以来2度目──ビットコイン現物ETFは流出
  • ビットコイン現物ETFは流入トレンドが終わり、イーサリアム現物ETFは取引開始以来2度目となる純流入を記録した。
  • トレーダーたちは、アメリカのハイテク企業の業績が軟調となる可能性を、BTCの今後のボラティリティのシグナルとして注目している。

アメリカのビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)は米時間30日、流出となったが、イーサリアム(ETH)現物ETFは4日続落の後、流入となった。これは共和党大統領候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の演説が要因となった先週の急騰から利益が削られたためだ。

ビットコイン現物ETFは1800万ドル(約270億円、1ドル=150円換算)の純流出を記録し、最高1億2400万ドルに(約186億円)達した4日間の連続流入記録を終わらせた。

SoSoValueのデータによると、グレイスケール(GrayScale)のIBITは7300万ドル(約109億5000万円)で流出額トップとなった。フィデリティ(Fidelity)、アークインベスト(Ark Invest)、ビットワイズ(Bitwise)、ヴァンエック(VanEck)の商品は、200万ドル(約3億円)から700万ドル(約10億5000万円)の流出となった。ブラックロック(BlackRock)のIBITは唯一、7500万ドル(約112億5000万円)近い流入額を記録した。

イーサリアム現物ETFは4日間の連敗の後、3300万ドル(約49億5000万円)の純流入を記録した。これは7月23日に上場されて以来、2日目の純流入だ。

(SoSoValue)

イーサリアム現物ETFは、累計で4億ドル(約600億円)以上の純流出を記録している。グレイスケールのETHEは18億4000万ドル(約2760億円)と最も損失が大きく、ブラックロックのETHAは6億1800万ドル(約927億円)で流入額トップだ。

先週、トランプ前大統領がナッシュビルで開催されたビットコインカンファレンスで登壇し、アメリカ証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長の解任と、当選した場合の戦略的ビットコイン準備金の創設計画を発表したことを受け、BTCは6万9000ドル以上に急騰した。

しかし、アメリカ連邦保安局が20億ドル(約3000億円)相当のBTCを2つの新しいウォレットに移し、差し迫った清算の懸念を煽ったため、7月29日にBTCは5%下落した。

一方、今週はアメリカの大手テクノロジー企業が決算発表を予定しており、ビットコイン価格に影響を与える可能性があるため、トレーダーは価格変動のさらなる拡大を警戒している。

「選挙のニュースは引き続き大きな焦点となるが、いくつかの重要なマクロ経済イベントも控えている」と、シンガポールに拠点を置くQCPキャピタル(QCP Capital)は30日のテレグラムのブロードキャストで述べた。 「31日の連邦公開市場委員会(FOMC)、アップル(Apple)、アマゾン(Amazon)、メタ(Meta)といったメガキャップのテクノロジー企業の収益発表、8月2日の失業率データなど、重要なイベントが予定されている」

「当社はBTCについてレンジ取引の見通しを維持している」と同社は述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether ETFs Break Four-Day Outflow Streak, Bitcoin ETFs Record $18M Outflows