ビットコイン、7万ドルに達してから72時間で10%以上急落

ビットコイン(BTC)は、週の始めは上昇したものの、その後急激な反落が続き、2週間ぶりの安値である6万2700ドル(約940万5000円、1ドル150円換算)まで後退した。

本記事執筆時点で、ビットコインは過去24時間で5.5%下落している。一方、暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)は6.1%下落しており、ビットコインよりもパフォーマンスは悪かった。イーサリアム(ETH)は5.8%、ソラナ(SOL)は10%、エックス・アール・ピー(XRP)は10%下落した。ビットコインが4カ月ぶりの高値である7万ドルを超えたのは、当記事執筆時点の約72時間前のことだ。

市場は1日午前、名目上は良いニュースを受け取った。アメリカの7月ISM製造業PMIがエコノミスト予想を大きく上回る低下を見せ、金利は全般的に数カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。また、アメリカの新規失業保険申請件数は約1年ぶりの高水準に跳ね上がった。総合すると、これらのデータは、アメリカが連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和サイクルの瀬戸際にあるという見方を強めるものだ。これは通常、ビットコインを含むリスク資産にとって強気の材料と考えられる。

7月31日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)後の演説で、ジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は、データが引き続き経済成長とインフレの減速を示している場合、9月の利下げは十分にあり得ると示唆した。

その他のニュースでは、イングランド銀行が1日、カナダ銀行と欧州中央銀行が今年開始した金融緩和の流れに加わり、4年ぶりに基準貸出金利を引き下げた。

ビットコイン強気派、トランプ氏の勝利の可能性低下を熟考

全体像を見ると、29日にビットコインが7万ドルまで急騰したのは、ナッシュビルで開かれたビットコイン2024会議の興奮と、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がビットコインのあらゆるものを支持し、政府が戦略資産としてビットコインを保有することさえ検討すると公約したことを受けてのものだ。

それ自体はよいことだが、ビットコイン強気派は今、トランプ氏の勝利の可能性は、ライバルがジョー・バイデン(Joe Biden)氏になる予定だった2週間前ほど高くはないことを考慮する必要がある。予測市場ポリマーケット(Polymarket)によると、民主党の新候補と目されるカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏が選挙に勝つ可能性は、今週を通して着実に上昇し、現在44%となっている。トランプ氏の勝利の可能性は、わずか2週間前には70%だったが、現在は55%に低下している。

ハリス政権がバイデン政権と同じ激しさでビットコインや暗号資産を取り締まるかどうかはまだ分からないが、2025年に業界に友好的な新大統領が誕生する可能性は下がった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Plunges More Than 10% Since Hitting $70K 72 Hours Ago