- 独立系金融シンクタンクのOMFIFによると、カマラ・ハリス氏は「暗号資産をトランプ氏に譲る」余裕はない。
- OMFIFは、共和党陣営から暗号資産支持者の票と寄付を誘い出せば、「重要な激戦州で違いを生む可能性がある」と述べている。
独立系シンクタンクのOMFIF(Official Monetary and Financial Institutions Forum)によると、民主党の大統領候補と目されるカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領は、暗号資産(仮想通貨)業界の支持者を共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に譲るわけにはいかないという。
先週、トランプ氏はビットコインカンファレンスで満員の聴衆を前に演説し、暗号資産支持者を魅了した。もし民主党がホワイトハウスを維持すれば、暗号資産にとっては大惨事となるだろうと彼は語った。
OMFIFの「Digital Monetary Institute」の編集者であるルイス・マクレラン(Lewis McLellan)氏は、8月1日のウェブサイトへの投稿の中で、「トランプ氏は、特徴的な日和見主義で、不満を持つ有権者層、そしておそらくもっと重要なことに、潜在的な寄付者を特定した」と書いている。
「おそらくもっと重要なのは、今後5年間で年間20万ビットコイン(BTC)を獲得すれば、最終的な流通量の2100万ビットコインのうち、相当なシェアをアメリカが確保するということだ。このような流動性を生む供給量の減少は、資産価格を上昇させる可能性が高い。この措置だけでも、ビットコインを大量に保有する人々から選挙資金を集めるには十分かもしれない」。
今月の民主党全国大会を前に、ハリス氏は暗号資産に対する公式な立場をまだ表明していないが、ポリティコ(Politico)の報道は「新たなオープンさを示している」とし、「彼女の陣営はここ数週間、暗号資産業界の代表者と接触している」と伝えている。その報道はまた、民主党の中で暗号資産をめぐる亀裂が生じていることが示唆されており、「民主党とハリス氏の蜜月関係の水面下で煮えたぎる政策上の緊張」が浮き彫りになっているとしている。
「ハリス氏はトランプに暗号資産を譲る余裕はない」と題されたマクレラン氏の論説はこう述べている。「失うものはほとんどなく、潜在的に得るものは大きい。カマラ・ハリス氏は暗号資産に関する独自のアジェンダを打ち出さなければならない」。
「民主党が暗号資産産業の成長への支持を示したからといって、民主党を見捨てる者は少ないだろう。特に共和党がすでにそうしている場合には。しかし、暗号資産支持者や寄付者から共和党陣営から票や寄付の一部を誘い出すことで、重要な激戦州において違いを生む可能性がある」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Kamala Harris Can’t Cede Crypto to Trump, Could be Difference in Battleground States: Think Tank