日経平均は史上最大の下げ幅、ビットコイン円建て価格は15%下落して760万円付近
  • ビットコイン(BTC)の円建て価格は、東京の暗号資産取引所bitFlyer(ビットフライヤー)で15%近く下落、欧米の取引所でのドル建て価格よりも大きな損失となった。
  • これは日本銀行の0.25%の利上げによる急激な円高が影響した。円は3週間で米ドルに対して10%近く上昇している。
  • 円高は、ビットコインを含むリスク資産の売りを招き、日経平均は史上最大の下げ幅を記録した。

ビットコイン(BTC)の円建て価格は、東京の暗号資産(仮想通貨)取引所bitFlyer(ビットフライヤー)で15%近く下落し、欧米の取引所で11%下落したドル建て価格よりも大きな損失となった。

Coingeckoによると、ビットフライヤーの取引高は24時間で241%急増し、2億2000万ドル(約312億円、1ドル142円換算)を超えた。

ビットコインの円建て価格の下落幅が大きくなったのは、円高が急激に進んだことによるものだ。日本銀行は先週0.25%の利上げを行い、円高およびビットコインをはじめとするリスク資産全体の下落を招いた。

5日、東京の市場が開けると、円高傾向はさらに強まり、アジア全域の市場はマイナスで取引を終えた。特に日経平均は史上最大の下げ幅を記録。前週末から4451円28銭下落、いわゆる「ブラックマンデー」の翌日の1987年10月20日に記録した3836円48銭を超えた。

また暗号資産先物の清算も24時間で10億ドルの大台を超え、暗号資産先物トレーダーは3月以来の最悪の1日を過ごした。

世界第3位の基軸通貨である日本円は、この3週間で米ドルに対して10%近く上昇した。

(bitFlyer)

日本銀行は先週利上げを行い、キャリートレードの解消を促した。これがリスク資産売りのきっかけになったという声もある。キャリートレードとは、円のような低金利の通貨を借り入れ、より利回りの高い資産に投資する戦略を言う。

SOFA.orgのインサイト責任者、オーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏は「キャリートレードの巻き戻し(解消)は、人気のマクロトレードが解消されているサインのひとつ。資産クラス全体で大きな変動が見られ、ヘッジファンドは損益を守るためにポジションの解消せざるを得ない状況にある」とCoinDeskにテレグラムのメッセージで述べた。

「日本は、米ドル/円のロングと日経平均のロングから収益を得られる主要な収益源だった。そのため解消は、今後のリスク志向とリスクセンチメントが非常に低調になることを示している可能性がある」

しかし、一部には楽観的な見方を維持する向きもあり、市場は今後数日のうちに局地的な底を打つ可能性があるとしている。

「最近の下落は、日本の経済政策によって広範な市場引き締めが起きたことによるものだ。中央銀行のスタンスが意外にも利上げにシフトした。米国の弱気なマクロデータは、投資家に景気後退の可能性を危惧させた」とMetalphaのシニアアナリスト、ルーシー・フー(Lucy Hu)氏は述べた。

「しかし、9月のFRBによる利下げが正式に確認されなかったにもかかわらず、市場はこのイベントを織り込み済みで、マクロ環境が改善されれば、ビットコイン価格は反発することが予想される」と同氏は付け加えた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:bitFlyer
|原文:Bitcoin Drops 15% Against Japanese Yen, Outpacing Declines Versus USD, as Yen Carry Trades Unwind


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