- BTCの長期オプションの指数は強気を堅持。
- 値下がりの中、主要指標からはバーゲンハンティングの兆候。
ビットコイン(BTC)は、円キャリートレードの巻き戻しや米国経済への懸念などいくつかの要因により、月初から5日間で5万ドルまで13%以上値下がりし、ひどく幸先の悪い8月となった。
それでも、市場参加者は少なくとも2つの指標に勇気づけられることができる。1つ目は、大手暗号資産(仮想通貨)取引所デリビット(Deribit)に上場するビットコインオプションに関したものだ。
長期オプションでは強気を堅持
市場が急落しているにもかかわらず、ビットコインにおける180日間のコールとプットのスキュー指数は3を上回って横ばいで推移しており、アンバーデータ(Amberdata)が追跡するデータでは、6ヶ月間にわたり価格の強さが示されている。
コール・オプションは、保有者に原資産を後日特定の価格で購入する権利(義務ではない)を与えるもので、市場に対して強気を意味する。プットは弱気を意味する。オプション取引のスキューは、投資家が非対称な強気ペイアウトまたは弱気ペイアウトに対して支払う意思の度合いを測る。正の値は、アップサイドまたはコールに対する需要が相対的に強いことを示唆する。
強気な長期のプライシングは、世界市場の騰落による当初のショックが解消されれば、ビットコインは盛り返すだろうという一部の観測筋の見解と一致している。
「米国の景気減速は明らかに進行中であり、FRB(連邦準備制度理事会)は予想よりも積極的な利下げを行う必要がある。それを受けて米国債利回りとドルは再下落しており、ビットコインにとっては非常に強気な材料だ。さらに、中国が景気刺激策と流動性の注入を強化し、ドル安と相まって、世界の流動性をめぐる状況は加速する」と、ニュースレターサービスのロンドンクリプトクラブ(LondonCryptoClub)の創業者は同サービスの月曜日版(現地時間)で述べている。
また、「私たちにとってビットコインは、舵取りをするFRBが金利を引き下げ、流動性を増そうとしている中で、最も明白な取引として位置づけられる。数週間は不安定な展開が予想されるが、大局を見失わないでほしい」と付言された。
米国での押し目買い
パリを拠点とするカイコ(Kaiko)が追跡した累積出来高デルタ(CVD)によると、今回急速に進んだ売りについては、コインベース(Coinbase)、ジェミニ(Gemini)、クラーケン(Kraken)などの米国で利用可能なプラットフォームにおける押し目買いが特徴的だ。
CVDとは、一定期間におけるアスク価格(買い)での約定数量とビッド価格(売り)での約定数量の差の合計である。CVDがプラスに上昇すれば、買いの取引量が売りの取引量を上回っていることを示し、反対にCVDがマイナスに下落すれば、そうでないことを表す。
コインベース、ジェミニ、クラーケンでのCVDは8月1日以降ほとんどプラスを維持しており、価格下落時の買い圧力やバーゲンハンティングが示唆されている。
「興味深いことに、バイナンス(Binance)やOKXのような海外の取引所では現地時間8月2日から強い売りが見られたが、ほとんどの米国のプラットフォームにおけるBTCのCVDはプラスのままであり、一部のトレーダーが押し目買いしたことが分かる」とカイコは現地時間8月5日に指摘している。
|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Shutterstock
|原文:These Two Bitcoin Indicators Offer Light in a Gloomy Market