ビットコイン、一時5万6000ドル超え──トレーダーは慎重な姿勢を崩さず
  • アメリカの利下げが議論される中、ビットコインと日本株は安定したと見られている。
  • 機関投資家は8月5日に、現物ETFを売却した。

ビットコイン(BTC)は、月曜日の急落の後、バーゲンハンターが参入し、アジアで市場が回復する中、8月6日の初めに5万6000ドルを超えた。

CoinGeckoのデータによると、BTCは6%上昇し、5月以来の24時間で最大の価格上昇となり、市場全体の回復を引き起こした。イーサリアム(ETH)とエックス・アール・ピー(XRP)は8%、バイナンスコイン(BNB)は12%、ソラナ(SOL)は16%も急騰した。

時価総額の大きな暗号資産(仮想通貨)からステーブルコインを除いたインデックスであるCoinDesk20指数(CD20)は7.26%急上昇し、9500万ドル(137億7500万円、1ドル=145円換算)以上の取引高を記録した。

日本の東証株価指数(TOPIX)は円安ドル高で約10%上昇し、下落を5日で止めた。S&P500種株価指数に連動する先物は1.5%上昇し、ハイテク株比率の高いナスダック100は2.1%上昇した。月曜日の世界的な市場下落を受けて、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待が再燃し、リスク心理が回復したようだ。

それでも、暗号資産市場ウォッチャーは主要トークンの継続的な上昇に慎重な姿勢を崩していない。

「ビットコインの価格が調整的に回復する可能性がある」とWeb3フィンテックプラットフォーム、YouHodlerのマーケット責任者であるルスラン・リエンカア(Ruslan Lienkha)氏は火曜日のメールでCoinDeskに語った。「しかし、市場全体で悲観論が広がっているため、この上昇は限定的になる可能性が高い」。

「全体として、ビットコイン価格の最近の下落は、日経平均株価の下落よりも著しく悪化しておらず、現在のセンチメントは、暗号資産市場自体の問題というよりもむしろ外部要因によって引き起こされていることを示している」とリエンカア氏は述べた。「弱気相場に入るかどうかは不明で、今月の株式市場のパフォーマンス次第だ」。

月曜日、暗号資産と世界の株式市場はここ数年で最も大きな損失を経験した。円高がキャリートレードの巻き戻しを誘発し、中東の地政学的緊張のために先週始まった売りが加速した。

日本のTOPIXは2011年以来の大幅な下落を記録した。一方、東京に拠点を置く取引所ビットフライヤー(bitFlyer)におけるビットコインの円建て価格は15%近く下落し、欧米の取引所におけるドル建て価格の下落を大幅に上回った。

機関投資家は月曜日、出来高が多い中、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)を売却した。1億6840万ドル(約244億円)の純流出を記録し、今月の純流出額は3億ドル(約435億円)を超えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Jumps Above $56K, Solana Leads Recovery From Monday’s Rout