ビットコインのクジラ、下落局面で買い増し
  • 1000~1万ビットコインを保有するウォレット、いわゆる「クジラ」は、IntoTheBlockのデータによると、過去数日間、価格が下落するなかで保有高を増やした。一方、1BTC未満のウォレットは売り手となった。
  • ビットコインETFは5日、1億6800万ドルの純流出を記録、グレイスケールのGBTC、フィデリティのFBTC、21シェアーズ/アークインベストのARKBが主な流出元となった。
  • ETF投資家は予想よりも「はるかに強く」持ちこたえ、流出した資産はわずか0.3%に過ぎないと、あるアナリストは主張している。

ビットコイン(BTC)投資家は、(ほとんど下落する)ジェットコースターのような動きに耐えた。ビットコイン価格は米国時間の週末に急落し、5日未明には4万9000ドルまで下落。午前中には5万6000ドル台まで反発したため、投資家のさまざまなリアクションを引き起こした。

ブロックチェーン分析会社IntoTheBlockのデータによると、ビットコインの「クジラ」(大口保有者)は価格下落をチャンスと捉えてビットコインを購入し、小口投資家はパニックの中で売却した。

現在価格でおよそ5600万ドル(約81億円)〜5億6000万ドル(810億円)に相当する1000〜1万ビットコインを保有するウォレットは、「最近の下落時にも自信を示し、価格が下落するにつれて一貫して保有額を増やした」とIntoTheBlockのアナリストは述べている。

一方、1ビットコイン未満のウォレットは「昨日の下落時に最も大幅に保有額を減らした」。

Farside Investorsのデータによると、ビットコインETF(上場投資信託)は5日、1億6800万ドルの流出となった。主な流出元はグレイスケールのGBTC、フィデリティのFBTC、21シェアーズ/アークインベストのARKBで、他はきわめて小幅な流入または変動はなかった。

ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、流出はビットコインETFの運用資産総額の0.3%に過ぎないと述べ、ポジティブな点に着目した。さらに、180億ドル相当の最大規模を誇るブラックロックのIBITは流出はなかったとした。

バルチュナス氏は、昨日の全体的な動向について、「大したことはない」と述べ、さらに「とはいえ、1日だけのことで、今週はもう少し流出があるかもしれない。数十億ドルは流出すると考えていた。しかし今のところ、はるかに強く持ちこたえている」と続けた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Todd Cravens/Unsplash
|原文:Bitcoin Whales Increased Holdings During Crypto Market Mayhem, but ETF Investors Didn’t Buy the Dip